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【国際】

中国 境界協議再開を提案

 【北京=共同】野田佳彦首相の十二月中旬の中国訪問に向け、中国政府が、二〇〇三年末を最後に中断している国連海洋法条約に基づく東シナ海の日中境界画定に関する協議の再開を提案していることが二十八日、分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。

 日中境界画定協議では、日本側の基点となる沖縄県・尖閣諸島の領有権をめぐる両国の対立再燃が不可避。日本政府は尖閣諸島に「領土問題は存在しない」との立場を取っており、中国側は協議を通じて領土問題を浮き彫りにし、日本側に問題を認めさせる狙いがあるとみられる。

 ただ、日本も海洋法に基づく問題解決の原則に異論はなく、協議を再開することが直ちに領土問題の存在を認めることにはならないため中国の提案を基本的に受け入れる方向。

 関係筋によると、野田氏の訪中で合意する予定の海上の危機管理体制構築に向けた新会議「対話プラットホーム」(仮称)の下に小委員会のような枠組みを設け、海洋法の解釈などを議論することで調整している。

 境界画定では、日本が日中の沿岸から等距離にある中間線を主張。尖閣諸島は中間線南方の測定基点。一方、中国は中間線より日本側にある沖縄トラフまで自国の大陸棚が延びているとして海洋権益を主張。「交渉の長期化は確実」(北京の外交筋)とされる。

 日中両国は一九九七年署名の漁業協定や〇八年合意の東シナ海ガス田共同開発では、境界画定問題を棚上げした。

 海洋法条約に関する日中協議は、沿岸から二百カイリまでを排他的経済水域(EEZ)とする同条約を両国が批准したことを受けて九六年に開始。〇三年八月に中国が「白樺」(中国名・春暁)のガス田開発に着手したため、八回目の〇三年十二月を最後に合意がないまま協議が中断していた。

 

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