日韓海底トンネルは、まさに夢のプロジェクトであり、単に日本と韓国とを結ぶだけでなく、アジアハイウェイ構想(ESCAP)や東北アジア輸送回廊(ERINA)など中国やロシア、さらにはユーラシア大陸を横断してヨーロッパと日本とをつなぐリンクと一体的に機能することにより大きな社会的・経済的効果を発揮することができるものである。
  島国である日本が大陸と直結することにより、日本人の国際的な意識を培っていくという点でその意義は極めて大きい。
  これまで、政府レベルで日韓海底トンネルについて検討を行ったことはないが、民間では「国際ハイウェイ建設事業団(任意団体)」により以下のような構想が提案されている。
  起終点:九州(唐津付近)〜壱岐〜対馬〜巨済〜釜山付近
総延長:231km 海底下:128m 最大水深:220m
  既存の主要なプロジェクトと延長や水深などで比較すると、いずれをとっても過去に実績のない規模であり、その自然条件もはるかに厳しい。韓国シンクタンクのある研究員の研究によれば建設費は6兆円を超えるとの試算もある。
  日韓海底トンネル構想の実現のためには、その規模、厳しい自然条件、経済環境などからみて、現在の技術を飛躍的に革新する技術開発や、経済的・社会的環境が十分整うこと等が必要である。
【技術的要件】
長大・大水深トンネル施工技術
航空輸送や海運と競争力ある次世代の超高速輸送システム等の技術開発
建設コストダウンのための技術開発 等
【経済的要件】
北東アジアやユーラシア大陸を横断する地域の経済的ポテンシャルが発現する環境
膨大なコストとこれに見合う経済効果の存在
航空輸送や海運との競争力の確保 等
  この夢のプロジェクトについては、大局的な判断と冷静な見極めを行いながら、超長期的な視点に立って上記のような諸課題につき一歩一歩地道な解決が必要である。
  日本と中国・韓国などの北東アジア諸国との交流や、さらにはユーラシア大陸を横断する地域との国際的な交流を拡大していくことについて、関係する諸国全体の気運を高めていくことが必要である。
  日韓海底トンネルは、壮大なプロジェクトであり将来の何世代をも見据え長期的な視点に立って実現に向けた努力を傾けていくことが重要である。
  主要国際都市間の交通機関別の所要時間想定
  青函トンネルの資料

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