マグネット式エコエンジン(イメージ)
国立沖縄工業高等専門学校(名護市)は、琉球物産貿易連合(那覇市)の高良守社長から共同研究を提案されていた「マグネット式エコエンジン」について、同校機械システム工学科の2012年度の卒業研究のテーマとすることを決めた。化石燃料や電流を使わず磁石の力だけでピストン運動を促して発電を目指すシステムで、同校では専門分野である試作品づくりに取り組む計画。高良氏は既に同エンジンについて特許申請している。
研究は沖縄高専機械システム工学科の下嶋賢助教が担当する。下嶋氏は「基盤となる磁石を回す力を、磁石自身の引力と互いにはね返そうとする斥力の連続作用で行おうという非常にユニークなアイデア。1年間で終了せず、継続研究する可能性があるテーマだ」と説明。同校の池松真也・生物資源工学科教授も「知的財産と成り得るモデルを構築できれば、民間や行政を含め連携体制が広がり、事業化へ前進できると思う」と期待を込めた。
高良社長は、東日本大震災以降、エネルギーへの関心が高まったと説明。小学生の長女の通信講座の付録にあった磁石の動きが目に留まり、その後も磁石の力を利用した遊具や医療用具などを目にし、今回の発案につながったという。
琉球物産貿易連合は県産品の海外輸出を中心に手掛けている。高良社長は「発電が可能になれば沖縄発のエコエンジンとして将来県内外に展開できると思う。食品や加工品だけではなく、新エネルギー分野でも沖縄の知名度を上げていきたい。国際特許も申請していく計画だ」と話している。
共同研究では手始めにバイクの50ccエンジンを使い、試作品づくりに取り組む予定。(外間崇)
<用語>マグネット式エコエンジン
磁石を取り付けた基盤が回転することにより、この磁石とピストンヘッド上部に取り付けた永久磁石の2磁極間に働く引力、斥力の連続する磁力作用を利用して、ピストンを往復運動させ、クランク軸により回転運動に変換させて動力につなげていく考え。基盤とクランク軸の後背部をベルトなどで連結することで作動させる。
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