話題

文字サイズ変更

大阪ダブル選:市職員、戦々恐々 橋下氏の「降格」発言で

大阪ダブル選から一夜明けて登庁し、大勢の報道陣に囲まれる大阪市職員(中央)=大阪市北区で2011年11月28日午前8時24分、小松雄介撮影
大阪ダブル選から一夜明けて登庁し、大勢の報道陣に囲まれる大阪市職員(中央)=大阪市北区で2011年11月28日午前8時24分、小松雄介撮影

 大阪ダブル選で大阪維新の会代表、橋下徹氏(42)が大阪市長に初当選したことを受け、同市役所に、早くも戦々恐々としたムードが漂っている。これまで「都構想に反対する職員は降格させる」と公言していた橋下氏が27日の当選後の会見で、橋下氏や維新の政策を批判する職員の「追放」について言及したからだ。市長選から一夜明けた28日、市役所本庁(同市北区中之島)では、職員がさまざまな反応を見せた。

 この日、市役所には午前8時半ごろから職員が次々と出勤。一様に緊張した表情で、大半は報道陣の問い掛けに答えず、足早に庁舎へと急いだ。

 ある男性職員は「市長が代われば方針が変わるのは当たり前。どういう考え方を持たれているのかうかがってみたい」。また、若い女性職員は「有権者が選んだ新しい市長の下で、今まで通り頑張るだけ」と淡々と話した。ベテランの男性職員は「これまでの発言から職員に対して厳しい目を向けられるだろう」と心配そうに語った。

 橋下氏は27日の当選後の記者会見で、職員給与の見直しや、「意味のない補助金がたくさん出ている」として事業の見直しについて語った。このほか、これまで橋下氏の政策や維新を批判してきた市職員に対しては「政治に足を踏み込み過ぎた職員は、潔く去っていただきたい」と語り、自主退職を促した。

 ある幹部は「橋下さんにとっては、トップの言うことを聞けということになるのでしょうが、市長になることは決まったことなので、いい関係で仕事がしたい。いろいろな政治判断をされるだろうが、事業の継続の是非については新市長が判断できるように情報をきっちりと出したい」と話した。一方、別の幹部は「市役所の職員というのは市長が出した方針を具体化するのが仕事。政治に足を踏み入れているわけではない。橋下さんは、我々職員が平松市長に『ああ言え、こう言え』と画策していると誤解しているのではないか」と反発した。【小林慎、津久井達】

毎日新聞 2011年11月28日 11時35分(最終更新 11月28日 12時15分)

 
Follow Me!

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

Googleの中小企業支援に迫る

あなたのビジネスが“オンライン”に!

東海大学:建築学で宇宙に迫る

「はやぶさプロジェクト」のサポートチームに参画