ソフトバンク決勝進出　足攻でサムスン圧勝

　【台中（台湾）森淳】日本、台湾、韓国、オーストラリアのプロ野球優勝チームが争うアジアシリーズ第２日は２６日、当地で１次リーグ２試合を行い、日本シリーズ覇者のソフトバンクがサムスン（韓国）に９−０で快勝。２戦２勝とし、同リーグ１位で２９日の決勝進出を決めた。統一（台湾）は延長戦の末、パース（豪州）を３−２で下して１勝１敗。２戦２敗のパースは１次リーグでの敗退が決まった。２７日の１次リーグ最終戦でソフトバンクはパースと対戦。統一は同じ１勝１敗のサムスンと決勝進出を懸けてぶつかる。

　ソフトバンクが自慢の足攻めで、韓国王者に圧勝した。今季、リーグ最多の１８０盗塁を記録した男たちが、アジアシリーズ史上最多となる１試合７盗塁を記録し、予選リーグ２連勝を飾った。

　試合を決めたのはオープン戦を含め、今季３度目となった本盗を絡めた「ダブルスチール」だった。５回１死一、三塁の場面。三走の長谷川は、塁上で確信していた。「健志（明石）が走るのは想定できていた」。８番・今宮の初球。一走の明石が二盗を試み、捕手が二塁送球したのを逃さなかった。迷わずにスタートを切り、本塁へ滑り込む。間一髪、セーフ。リードを６点に広げた。

　「サインではない。ボール（送球）がそれたら行けと言われていた。（相手投手の）クイックがうまくないのも分かっていた」。この日、自身３個目の盗塁で大きなダメージを与えた長谷川は、してやったりの表情でビッグプレーを振り返った。

　秋山監督も、シーズン同様の動きを見せるナインをたたえた。韓国側記者陣から投手の癖を見抜いていたのかと問われ「ウチはシーズン中から盗塁に積極的に取り組むよう言ってある。その結果、初めてのバッテリーでも癖を見抜くのがうまくなった」と話した。

　この日の７盗塁のうち、５盗塁は次打者の３球目以内。残りの２盗塁は次々打者ではあったが、重盗によるもので、仕掛けたのは初球だった。「機動力を使えたのが得点につながったと思う」。自慢の足攻めで快勝し、秋山監督も満足げだった。