新ルール対策を用意していたチェルシーとアーセナル。
元祖金満のチェルシーは、近年の買い控えが幸いして頭数は適当だが、外国人シニアの多さは相変わらずだ。カルロ・アンチェロッティは、噂のあるレアル・マドリーにアシュリー・コールを取られれば、ワールドクラスの左SBと同時に貴重なイングランド人を失うことになる。慎重派の指揮官は、本来ならばレンタル移籍で修行を積ませたいはずのユース出身SB、ライアン・バートランドに対する他クラブからの獲得要請への返答を拒み続けている。昨季の後半戦で、ファビオ・ボリーニ(FW)、ジェフリー・ブルマ(DF)といった若手を起用し始めたのも、新ルールを意識してのことだったと思われる。
国際色の豊かさではチェルシーに負けないアーセナルは、アーセン・ベンゲル監督の若手嗜好のおかげで、今さら対応に苦心することはない。おまけに、バルセロナが買い戻しを狙い続けるセスク・ファブレガスを筆頭に、ニクラス・ベントナー、ガエル・クリシー、デニウソンといった外国人の主力も、若くして移籍してきたことから「自家製」としてシニア枠に含めることができるのだ。ベテランのソル・キャンベルがニューカッスルへと去ったため、シニア枠が余る可能性があるが、エバートンと移籍金の折り合いをつけて国産DFのフィル・ジャギエルカを獲得できれば、貴重な枠を最大限に利用できる。
リバプールはジェラード残留という副産物を手に入れた。
リバプールも、ラファエル・ベニテス前監督時代に下部組織に多くの外国人選手を抱えることになった。しかし、育成がままならず、実際に戦力となる「自家製」が足りない。新監督のロイ・ホジソンは、財政難のクラブで賢い補強を強いられることになる。ただ、出足は上々だ。まずは、チェルシーとの契約が切れたジョー・コールをフリーで獲得。移籍金が発生しなかった代わりに週給換算で約1200万円の高年俸を提示しなければならなかったが、レアル行きが噂されたスティーブン・ジェラードがコールの移籍を受けて残留の意思を表明したのだから安いものだ。優先課題とされた左SBには、元イングランド代表のルーク・ヤングを獲得するべく、7月末に3億円台前半の移籍金でアストンビラの合意を取り付けた。
すでに半数以上が「自家製」のマンUは他チームの目標に。
新ルールへの対応でポールポジションにいるのはマンチェスターUだろう。昨季の時点でもシニア選手の数は25名。しかも、その半数が「自家製」で、ベテランと若手のバランスも良いのだから完璧だ。ライアン・ギグスらの30代も含まれているが、ダロン・ギブソン(MF)のようにユース上がりの22歳もいる。1月に商談をまとめたクリス・スモーリング(DF)も正式に加入した。今年21歳のスモーリングは、フルハムでプレミアとヨーロッパリーグを経験済だ。アレックス・ファーガソン監督は、コンディションが微妙なオーウェン・ハーグリーブスを25名枠に入れるかどうかを迷っているようだが、怪我で2年近く起用できなかったMFを前半戦で使えなくても大きな戦力ダウンではない。ファーガソンが史上初の4連覇を狙った昨季のプレミアでは「打倒マンU」が他チームにとっての合言葉だった。新ルールが導入される今季は「目指せマンU」が合言葉になりそうだ。
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