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緑内障治療へ新たな光明 投薬で視神経を保護

 東北大大学院医学系研究科の中沢徹教授(眼科)らの研究グループは、特定のタンパク質分解酵素の活動を抑制する薬が網膜視神経を保護し、緑内障の改善に効果があることを確認した。緑内障は40歳以上の約5%が発症し、失明の原因でトップの病気。現在は眼圧を下げる以外の治療がなく、新たな治療法につながると期待されている。
 緑内障は視神経の乳頭のねじれや萎縮が原因で網膜神経節細胞が死に至り、視野欠損と視力の低下を引き起こすことに、グループは着目。この視神経を保護する手法の研究に取り組んだ。
 これまでにタンパク質分解酵素「カルパイン」が活性化されると特定のタンパク質が分解され、細胞死が起きることが分かっている。
 中沢教授らは神経節細胞が8割減った緑内障症状のマウスに、「カルパイン」の働きを抑制する薬(阻害薬)を投与。阻害薬を与えたマウスの網膜神経節細胞の生存率が上昇し、保護効果が高いことを突き止めた。培養細胞でも同様の効果が得られた。
 緑内障は一般的に眼圧によって視神経が萎縮して視野が狭くなるため、眼圧を下げる治療が行われている。しかし日本人患者の場合、正常範囲の眼圧で視神経の萎縮が起きる正常眼圧緑内障が7割を占めており、新たな治療法が求められていた。
 中沢教授は「緑内障はさまざまな原因が考えられている一方で、不明な点も多い。今回は対症療法だが、有効な治療効果が期待できる」と話している。


2011年11月27日日曜日


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