VS1123 / 2011.10.12


ヴァージン アトランティック航空
世界初、低炭素燃料を開発


 ヴァージンアトランティック航空(日本支社長:リチャード・マイヤースコウ / 日本支社:東京都渋谷区)は、2011年10月11日(英国時間:10月11日08:00)、世界初、低炭素航空燃料の開発を発表しました。これは、標準的な化石燃料によるカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を半減させる代替燃料です。
 
 Lanza Tech社との提携によるこの新しい試みは、航空燃料技術における躍進です。製鋼所から排出されるガスを収集し、発酵させ、さらにSwedish Biofuelsの技術により化学的に転換し、ジェット燃料として利用するものです。この画期的な燃料の製造過程は、大気中に放出される二酸化炭素などの排ガスを再利用することでもあります。
 
 ヴァージンアトランティック航空は、Lanza Tech社と協力し、中国とインドでの設備開発に取り組み、2~3年以内に、この新しい燃料を使った航空機にて、上海・ロンドン間、およびデリー・ロンドン間の飛行を計画しています。この技術は現在、ニュージーランドで試験中ですが、年内には上海に大規模な実地施設を設立し、2014年までに中国で初の商業化を実現させる見込みです。この試みが成功すれば、英国、および世界中で広く運用されることとなるでしょう。
 
 Lanza Tech社は、この処理工程は世界の製鋼所の65%で運用可能と試算しており、世界中でその燃料の商業化が実現可能であるとしています。また、この工程は、製鉄や化学工業などの分野においても、さらなる成長の可能性を示しています。
 
 当社創設者、サー・リチャード・ブランソンは、今回の発表について
「我々は、バイオ燃料を使用した航空機によるテスト飛行を実施した初の航空会社で、持続可能な航空産業のパイオニアとして、業界をリードし続けてきました。次世代の低炭素航空燃料を生産するという今回の提携はカーボンフットプリントを根本的に削減するための大きな一歩であり、この技術が弊社の削減目標の達成を後押しするものと期待しています。
 
 石油の枯渇が懸念される中、新しい燃料問題の解決策は持続可能であることが重要です。製鉄業だけで、年間にジェット燃料150億ガロン以上を拠出できることは、有力な将来性を示すものです。この新技術は、概算でき、持続可能であり、既存のジェット燃料に匹敵する費用で、商業化生産が可能です。」 と述べました。
 
 ヴァージンアトランティック航空は、Lanza Tech社、Swedish Biofuels社、そしてボーイング社と協力して、新しいタイプの燃料を使用した商業運航を可能するための技術的な承認を獲得し、この燃料を利用する最初の航空会社となるでしょう。今後12~18か月以内に試験飛行の実施を目指しています。
 
 次世代のテクノロジーは、初期のバイオ燃料世代で生じた複雑な土地利用などの問題を克服し、詳細な分析では、ライフサイクルで排出される炭素が50%程度、削減されるであろうことを示しています。The Roundtable for Sustainable BiofuelsRSB)は、バイオ燃料生産の持続可能性を保証し、リードする国際的な組織で、この燃料が環境的、社会的、経済的にも主要な基準を満たすことを確信しているとしています。
 
 ヴァージンアトランティック航空は、この開発により、2020年までに乗客kmあたりのカーボン排出量を30%削減するという誓約を達成することができるとしています。再生燃料への投資は、当社が幅広く取り組んでいる炭素排出量削減のプログラムの一環であり、最新で燃費効率のよい航空機の活用や、Aviation Global Deal グループへの投資を通じて、世界的な炭素キャップ・アンド・トレード制度を支援することでもあります。

 サー・リチャード・ブランソンによる記者会見のもようはこちら