気象・地震

文字サイズ変更

解説:地震発生確率 沿岸地域の対策急務 「予想外」への備えも必要

 東日本大震災に匹敵する津波を伴う地震の発生確率は今後30年以内に30%とする分析を政府の地震調査委員会が25日、発表した。30年以内に交通事故死する確率は0・2%、火災被害は1・9%だから、かなり高いといえる。対象の沿岸地域では想定に基づいたハザードマップ作製や避難訓練などの対策を急ぐ必要がある。

 将来の地震予測は、どこで、どの規模が、どの程度の確率で起きるのかを予測してきた。

 今回の予測は、従来の予測手法を踏襲しながらも、一部の地震の規模や確率を算出し直した。震災後も続く地殻変動や余震の影響が考慮されていないといった不確かさを伴うが、原子力発電などの施設では早急に対策に反映させなければならない。

 一方、こうした地震の確率論的な評価は「いつ」起きるか知ることが本質ではない。地震調査委の阿部勝征委員長も「公表した確率は、早く地震が起こることを意味するのではなく、起こりやすさを示している」と説明する。数字の持つ意味を理解し、投資などの対策を決める議論の材料とすることが重要だ。

 また、想定している地震が、東日本の太平洋沖で起きるすべての地震を網羅しているわけではない。予測を超える事態も起こり得ると認識すべきだろう。それが東日本大震災の最大の教訓といえる。【八田浩輔】

毎日新聞 2011年11月26日 東京朝刊

PR情報

スポンサーサイト検索

気象・地震 最新記事

気象・地震 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

中小ビジネスを変えるオンラインとは

ウェブサイトが15分で簡単作成、しかも無料で

東海大学:建築学で宇宙に迫る

「はやぶさプロジェクト」のサポートチームに参画