気象・地震

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地震発生確率:三陸-房総沖、M8以上「30年内に30%」 政府の調査委、見直し

 政府の地震調査委員会は25日、東日本の太平洋沖を震源とする地震の発生確率を公表した。南北800キロに及ぶ三陸沖北部から房総沖の日本海溝付近で起こる地震の発生確率について、マグニチュード(M)8以上の規模が今後30年以内で30%とする予測を公表した。東日本大震災に匹敵する大津波が生じる可能性もあるという。また、大震災と同じ震源域で発生するM9級の巨大地震は平均600年間隔と分析した。

地震調査委員会が新たに公表した三陸沖北部から房総沖の想定地震
地震調査委員会が新たに公表した三陸沖北部から房総沖の想定地震

 地震調査委は、今回のような巨大地震を想定できず、地震規模や確率の評価手法を見直している。

 日本海溝付近の領域では、明治三陸地震(1896年)や慶長三陸地震(1611年)など過去に大きな被害をもたらした津波から、地震の規模を予測、統計処理し直した。

 その結果、揺れの割に大きな津波を引き起こす特性から、この領域に限り、津波の高さから地震の規模を算出する「津波マグニチュード」(Mt)を採用し、最大規模をMt9と想定。30年以内の発生確率も20%から30%に引き上げた。明治三陸地震(M8・2)では大震災と同程度の高さ38メートル以上の津波が遡上(そじょう)したことから、同程度の津波が襲う可能性があるとした。

 これらの地震と大震災では震源が異なるが、この場所では、貞観地震(869年)や大震災など5回のM9級地震が起きたと認定。ただし、大震災でためこんだエネルギーが解放され、M9級の30年以内の確率は0%とした。一方、地震調査委が予測してきた7領域のうち、宮城県沖はM7・5前後の30年確率を99%と評価していたが、震源が重なる大震災の影響で地殻の変動が続いていることから、発生確率を「不明」とした。三陸沖南部海溝寄りではM7・7前後からM7・9に引き上げられたが、30年確率は90%からほぼ0%になった。【神保圭作】

毎日新聞 2011年11月26日 東京朝刊

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