アフガニスタンに駐留するアメリカ軍などからなる国際部隊が、国境を越えて攻撃し、パキスタン軍の兵士24人が死亡したことを受けて、アメリカのクリントン国務長官は、パキスタン側に哀悼の意を伝えるとともに、事実関係の究明に全力を挙げる姿勢を示しました。
これは、パキスタン北西部のアフガニスタンとの国境近くで、26日、アフガニスタンに駐留する国際部隊のヘリコプターが国境を越えて軍の2か所の検問所を攻撃し、パキスタンの兵士24人が死亡したもので、国際部隊は誤爆であった可能性を認めています。アメリカ国務省と国防総省は、26日、共同で声明を発表し、死亡した兵士に哀悼の意を表したうえで、クリントン国務長官とアメリカ軍のデンプシー統合参謀本部議長らがそれぞれ、パキスタンのカル外相やキヤニ陸軍参謀長と電話で会談し、事実関係の究明に全力を挙げる考えを伝えたことを明らかにしました。さらに電話会談で、アメリカ側は「両国の友好関係は双方の国民にとっての利益にかなう」と説明し、今回の事件がパキスタンとの関係悪化につながらないよう望むことを強調しました。アメリカにとって、アフガニスタンでの軍事作戦を2014年までに終結させるという計画の実現には、パキスタン政府の協力は不可欠ですが、パキスタン側は今回の事件を受けて協力関係を全面的に見直す考えを表明しており、作戦への影響は避けられない情勢となっています。