細野豪志原発事故担当相が26日、検討を表明した高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉は、高速増殖炉技術の開発断念を意味し、原子力政策を大きく転換させることになる。政府は、原発発電で生じた使用済み核燃料を再利用し、そこから取り出したプルトニウムを原発で再び使う「核燃料サイクル」をエネルギー政策の基本と位置づけ、その中核が「もんじゅ」の行方にかかっているためだ。【野田武】
高速増殖炉は、燃やしたプルトニウム以上にプルトニウムを増やせるため、資源の乏しい日本にとって「夢の原子炉」と言われたが、95年12月、もんじゅで火災事故が発生、運転を停止した。
再開見通しが立たない中で始まったのが、プルトニウムを既存の原発でウラン燃料と合わせて燃やす「プルサーマル」。97年に計画が認められ、2010年までに16~18基の原発で実施する計画だったが、立地自治体の了解を得るのに難航した。
火災事故以降、政府はプルサーマルを高速増殖炉と並ぶ核燃料サイクルの基軸と位置づけた。高速増殖炉を断念しても、片方の軸のプルサーマルを使っての核燃料サイクルは可能だ。しかし、東京電力福島第1原発事故後、既存の原発の再稼働すら見通しが立たない。また今後、新たな原発を造らず、寿命の原発を廃炉にする「脱原発依存」政策を進めれば、核燃料サイクルは成立しない。そうなれば使用済み核燃料は、再利用せずそのまま処分する道しかなくなる。
もんじゅを廃炉にするならば、使用済み核燃料の処分方法や、日本が保有しているプルトニウムの扱いなど、解決の難しい問題にも、道筋を付ける必要がある。もんじゅを含めた日本の原子力政策の全体像は、政府のエネルギー・環境会議が来夏までに決めるが、課題は山積している。
地元関係者からはさまざまな反応があった。もんじゅが立地する福井県敦賀市の河瀬一治市長は毎日新聞の取材に対し26日、「継続、廃止など、もんじゅにはたくさんの選択肢があるということだろう。今後についてはエネルギー政策全体を考えて冷静な議論をしてほしい」と注文をつけた。一方、福井県の市民団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」の山崎隆敏代表(62)は「もんじゅを止めることになれば、核燃料サイクルの破綻が明確になり、国は結論を出しにくいかもしれない。しかし、脱原発は早急に進めるべきで、早期に廃炉の結論を出すべきだ」と話した。【柳楽未来、安藤大介】
毎日新聞 2011年11月27日 東京朝刊
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