【ジュネーブ斎藤義彦】クラスター爆弾の全面禁止条約(オスロ条約)に規制の緩い条約を対抗させ、骨抜きにしようとした米露中などによる外交工作は失敗に終わった。大半の国が禁止条約に加盟することで大量保有国による兵器の使用を事実上やめさせる、というオスロ条約派の方法論への支持がさらに強化されそうだ。
「骨抜き条約」は、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議」で提起されたが25日、全会一致の支持が得られず廃案となった。提案理由について米政府高官は、オスロ条約加盟国が「(軍事大国の周囲に)長い壁を作り、爆弾を使うことをためらわせようとしている」と語り、包囲網が米国を外交工作へと突き動かしたことを認めた。
オスロ条約はクラスター爆弾の8~9割を持つ米露中が加盟せず野放しになっているため、「実効性がない」と批判されてきた。米国はその弱点を突いて規制の緩い条約案をぶつけてきたが、オスロ条約の中核国の結束は固く、廃案まで持ち込んだ。
しかし、米国などは今回、市民の被害を考えて条約を作ろうとした「実績」を作ったことで、「何もしていない」とのオスロ条約側に反論できる。さらに「オスロ条約加盟国が交渉を妨害した」との論理で、今後の使用が正当化される可能性もある。
一方、独仏イタリアなど一部の加盟国が骨抜き条約をまとめようと動き、足並みが乱れたのはオスロ条約側には痛手だった。ドイツ外交筋は「大量保有国にも規制をかけ世界全体を安全にするのが長期目標。オスロ条約を阻害する意図はない」と釈明する。
日本は、最後まで骨抜き条約に反対を表明せず、オスロ条約に賛同するまで後手後手に回ったかつての失態をまた繰り返した。
毎日新聞 2011年11月27日 14時12分(最終更新 11月27日 16時13分)
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