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2005-01-03

ウエイター

ホステスのいるクラブでウエイターのアルバイトをしていた。店の女の子に恋をした。ある日、年上のホステスさんから、
「美登里ちゃんのこと、好きなんでしょ」
「どうしてわかったんですか」
「だっていつも美登里ちゃんのこと、見てるもん、わかるよ。でも難しいな、美登里ちゃんは」
「なぜですか」
「美登里ちゃん、スポーツマンが好みだって言ってたし、厨房に新しく入った男の子、いいって言ってたもん」

shiroyagiは仕事中、十卓程あるテーブルを隈無く見ていた。どのテーブルで今、灰皿に何本吸い殻が入っているかも把握していた。この店では、吸い殻が三本になったら、灰皿を換えることにしている。女の子達は、三本になるとサインを送るが、サインの前に灰皿を交換に行くことにしていた。それを女の子は喜んだし、仕事として当然だと思っていた。おしぼり、氷、煙草の銘柄、マッチ、そして女の子達が今いるテーブルでどうしているかを見ていた。
確かに、美登里には自然と目が行くので、他の子よりサービスも良かったと思う。shiroyagiが他のテーブルから目を離して、ふいと美登里のテーブルを見ると、美登里が不機嫌そうな顔で灰皿のサインを出していたことがあった。まあ他の女の子にしてもそうだが、当たり前にされていたことが、当たり前でなくなれば、不機嫌になる。当然だ。だが、美登里の要求は他の子より強かったように感じた。自分が好かれている事を知っていたのかもしれない。
店の女の子とはよく話した。マネージャーに叱られたこともあった。美登里ともよく話した。京都出身で少し京都訛りなところがとてもよかった。何度か一緒に遊んだこともある。
が、shiroyagiは脳の病気を罹っていた、自分では気付いていなかった。ある日から人と会うのも何をするのもいやになった。美登里とのデートをすっぽかした。約束の時間を少し過ぎた頃、電話が鳴った。相手は美登里だと分かっていた。怯えたように電話が鳴り止むのを待った。鳴り止むのを待って電話線のジャックを抜いた。美登里とはそれ以来会っていない。
「いけずやなあ」
あの京言葉を美登里の口から初めて聞いた時の、背筋がしびれるような感覚はもう薄れ、忘れてしまった。今どうしているかなんて考えない女、そんな女の事を今、考えている。

shiroyagiさんの投稿 - 23:53:10 - 0 コメント - トラックバック(0)

ホステス

学生時代、クラブのホステスが仕事を終えた後、その女性達を各家まで車で送り届ける”送り”のバイトをしていたことがある、と言っても一ヶ月位の期間だ。
このバイトをしていて、ある初見のホステスからチップをもらったことがあった。その日は車の中で、静かめの女性ジャズボーカルの曲をかけていた。いつも自分が聴きたい音楽をポップス・ロック問わずかけていた。
その女性と、話をしたかどうか記憶にない。ただ和服姿だったことだけは憶えている。
女性の家の近くで車を止める。
「今日は素敵な音楽ありがとう」
そう言って千円札を渡す。断る理由もない、ただこの音楽が好きだったのかと思い、
「この曲はジャズのボーカリストで・・・」
と、音楽について話し始めると、
「そうじゃないの、とにかく今日はありがとう、おやすみ」
和服の裾を気にしながら、車を降りて歩いていく。
それを確認して、shiroyagiは家に車を向かわせた。
ありがとうの意味を考えながら。
理解できたのは、しばらく経ってからだったと思う。
彼女はひとりになりたかったのだ、静かに、心地よい音楽を聴きながら。
その日、店で何があったかは知らない。
その女性と二度会うことはなかった。後で聞いたらたまたまヘルプで来ていたという。もう顔も声も憶えていない。街で通りすがっても気がつくことはない。

shiroyagiさんの投稿 - 05:40:21 - 4 コメント - トラックバック(0)

2005-01-02

ケ・セラ・セラ

学生時代、ふと買ったCDにドリス・デイのベストものの輸入盤がある。
初めて聴いた時に、アルフレッド・ヒッチコック監督、ドリス・デイ、ジェームズ・スチュアート主演「知りすぎた男」の主題歌「ケ・セラ・セラ」のメロディに一目惚れしてしまい、この歌をより深く理解しようと、何度もヒアリングした。まあ、歌詞自体は簡単なのだが、歌詞がいい。温かい。
1番、2番、3番と主人公の女の子が成長していくハッピーなお話。この曲は、shiroyagiが幸せになれる数少ない曲の中の1曲です。ちなみに、日本語の「ケ・セラ・セラ」も好きです。もし機会があれば、フランス語で歌われた「QUE SERA SERA]を聴いてみたいと思います。
この曲を聴いてから、人生はこうでいいのだと、頭の中では考えられるようになりましたが、実際はなかなかそんなに甘くは行きません。
余談になりますが、最近、スーパーで売っているグレープフルーツに似たスウィーティを食べながらも、いつもその味、食感、皮の厚さ等が気になる。甘くないのにスウィーティ、何故ですか。
先日、BS-2で「スヌーピー」を放映していました。この話なら訳していて楽しめるな、そう思いました。過去「ムーミン」や「長靴下のピッピ」で不完全燃焼だったshiroyagiにも訳すのが楽しくなると思いました。

shiroyagiさんの投稿 - 10:38:19 - 3 コメント - トラックバック(0)

2005-01-01

本読みの友人

shiroyagiには、一人だけ男性の本好きの友人がいる、仮にAさんとする。ちなみに女性には何人かいる。
そのAさんの本の読み方・買い方(本だけでなく、CD、DVDも含む)がshiroyagiには、理解不能というか、批判的というか納得できないのだ。
彼は大量に本を買う、しかも高価な本を。倉庫を借りなくてはならない程、家の床が抜ける程。新刊でも古本でも、なんでも。新書店で、古書店で、インターネットでも買う。
彼は英語とイタリア語が少々できるから海外から洋書も買う。ジャンルは様々、shiroyagiが知っているところでは、哲学、思想、著名人の伝記、etc...が多い。が、いつも読んでいる本は雑学のようなものばかり・・・?
Aさんは家の近所の図書館をよく利用する。彼は職場の同僚だ。昼休みには本を読んでいる。彼の自席を訪ねると、いつも図書館の本を読んでいる。
shiroyagiは、
「あんなに本を買っているんだから自分の本を読んでくださいよ」
なぜそんなことを言うのか、図書館で借りた本ばかり読んで買った本を全然読まないのだ。理由を聞くと、
「いやー、借りた本は返さなくちゃいけないからねえ、ついそっちばっかり読んじゃうんだよね、いけないとは思っているんだけど」
いけないと思っているなら「買った本を読んでください」と、口を酸っぱくする程言う。が、今のところ、shiroyagiの気持ちを行動で示してくれないAさん、この場を借りて言わせて頂きます。
「Aさん、買った本を読んで下さい」

あと、何百万円もするイタリア製のバイクを5台も買うのやめてください。どうせめったに乗らないんだから、もったいないです、もったいないおばけが出てしまいます。だってAさん、お金持ちじゃないんですからね、そこの処も考えてくださいよ、老後もね、お願いします。

shiroyagiさんの投稿 - 20:50:26 - 2 コメント - トラックバック(0)

相棒

「相棒3」水曜日 テレビ朝日 21:00〜

水谷豊、寺脇康文主演の1話完結、刑事ものシリーズ第三弾。毎回個性的なゲストが出演、日本版"刑事コロンボ"か刑事版”シャーロックホームズ”と言ったところでしょうか、そういった分野に詳しくないので、自信持って言えませんが・・・。1話完結なので一回見逃しても気軽に楽しめる、今時数少ない現代ものドラマだと思います。去年まで放映していた「京都迷宮案内」もいい味を出していましたね。
NHK連続テレビ小説「わかば」もいいですよ。


shiroyagiさんの投稿 - 10:48:50 - 4 コメント - トラックバック(0)
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