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2007-09-21

読書メモ エドウィン・ミュア著『スコットランド紀行』

スコットランドのオークニー諸島で生まれた詩人・批評家エドウィン・ミュア(Edwin Muir,1887-1959)著『スコットランド紀行(SCOTTISH JOURNEY,1935)』。J・Bプリーストリーの『イングランド紀行』は姉妹編。

84ページ 第2章 南部
 
民謡詩
「ゆうべの晩はベッドを広くこしらえた、
でも今夜はせまくつくりましょう、
だって、悲しいことに一晩中
わたしはひとりで眠るのよ。」

121ページ 第4章 グラスゴー

「スコットランドの牛たちは 毛艶よく、活気にあふれ
花咲く野辺をのんびり歩いているのに
失業者たちは毎朝出かけなければならない、
職業斡旋所に。

説教師は満腹、
肥えた一歳牡牛なのに
失業者の腹は空っぽ
日曜日のミサや教会のように。

聞くところではスコットランドの金持たちの不倫は
恥知らずなのに
失業者は結婚証明書が手に入らず、
面目を保つこともできない。

スコットランドの去勢牛は
公衆便所の外で足をすり合わせている
無職の男たちより
威風堂々としている。

スコットランドの去勢牛は
熟練の屠畜士の清潔な手で最期を遂げるのに
歩けず、立てなくなった無職男は
神が最期の世話をする。

一歳牡牛にキルトをはかせて
愛国歌を歌わせよう。
元気な種牛や種馬はベイリオルで教育し、
残りの者たちは教会の歩兵大隊に送り込もう。

すべての祝福の源である神を称えよ
下々の牡牛たちよ、神を称えよ
スコットランドの教会よ、神を称えよ。
神は若い去勢牛や一歳牡牛に優しいのだから。」


222ページ 第5章 ハイランド

ブレイクの詩
「この世の続く限り永遠に
私はあなたを許し、あなたも私を許す。」

255ページ 第5章 ハイランド

「国民性とはリアルなものであるが、定義は不可能である、せいぜい歴史的に把握できるだけだ、ということは実際には把握できない。なぜなら歴史は不断の連続であり、文字に書き留められた形で過去にあると同時にまだ書かれていない状態で未来にある、だからその全体を掴むことは、誰も存在しなくなる未来にいたるまで不可能である、という結論である。」

いよいよ次は、プリーストリー著『イングランド紀行(下)』を読みたいと思う。



shiroyagiさんの投稿 - 21:50:18 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-09-14

ショーン・オフェイロン著『アイルランド 歴史と風土』

敬愛するミュージシャン、THE DIVINE COMEDYのNeil Hannonの生まれた地Londonderry、育った地Enniskillen。そして今、住んでいるDubin。
この地をいつか訪問したくて、唯々、Neil Hannonの足跡を辿りたくて読んだのがオフェイロン(1900-1991)のこの本(THE IRISH)。

1947年出版(改訂版1969年、日本での出版は1997年)と資料としてはちょっと古いが、最初の一歩としては、良かったと思う。

これからも、アイルランド含め、イングランド・スコットランド・ウェールズ、そして、一番の関心事である北アイルランド問題について、もっと知りたいと思った。



shiroyagiさんの投稿 - 11:12:34 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-09-09

プリーストリー著『イングランド紀行(上)』

先日のプリーストリーの『夜の来訪者』に続き、岩波文庫八月の新刊『イングランド紀行(上)(ENGLISH JOURNEY)』を読んだ。

面白い!!

『夜の来訪者』の著者が何を考えていたのかが、紀行文という形を借りて、文明批評、労働の有りかた、人はどう生きていくべきか等、多岐にわたって、物語られ、紡がれていく。

9月14日に発売される下巻の発売が待ち遠しい。

それまでに、姉妹編のエドウイン・ミュア著『スコットランド紀行』を読んでおきたい。


shiroyagiさんの投稿 - 22:37:21 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-09-07

ガーネット著『狐になった奥様』を読みました。

先日のプリーストリーの『夜の来訪者』に続き、岩波文庫の六月の新刊、イギリスの作家・批評家・出版業者であった、ディヴィッド・ガーネット(1892-1981)の処女作にして代表作『狐になった奥様(LADY INTO FOX)』を一気に読んだと言いたいが、最後の1ページを読んでいるところで、友人から電話が鳴った。(笑)

冒頭、デブリック夫妻が習慣の散歩をしていると、突然夫人が狐になってしまうというシチュエーションは、カフカの『変身』を思い出してしまうが、多分大分違う、と思う。なにせ『変身』を読んだのが、あまりにも昔のことなので・・・、思い出せない。

狐になった夫人を、夫人だと信じ続け、愛し続けるデブリック氏。
最初は、夫人を狐としてでなく、人間の頃のまま、愛そうとするが夫人(雌狐)は、変身して最初の頃こそ、人間としての意識があるが、徐々に狐としての野生を本能を表に出てきて、行動に現わしていく。
それでも、デブリック氏は愛おしい雌狐として、惜しみなく愛情を抱き続け、雌狐に奉仕する。
夫人が狐になったことで、デブリック氏の生活は著しく変わり果てる。
そんなデブリック氏の苦悩と歓喜の日々。
夫人は雌狐になって、何がどう変化していくのか。
結末は。
ページをを捲るのが、やけに早かった155ページ。

次はまた、プリーストリーの岩波文庫の文庫の8月の新刊『イングランド紀行』かな。
最近、紀行文が読みたくてしかたがないわたしなんです。

shiroyagiさんの投稿 - 21:42:14 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-09-04

新学期には、笑顔を振りまいて

楽しい新学期。のはずだった。
ぶち壊したのは、転校生のあいつ。柴亮輔。
あれは、二時間目と三時間目の間の二十分休み。

柴がふざけて、わたしの似顔絵を黒板に得意顔で描いていた。
わたしは、友だちのユウとおしゃべりしてて気がつかなかった。
なんだかみんなが、わたしとユウを見ているよう。
なんかおかしいな。
すると、他のグループの紫苑が、柴がふざけてると、教えてくれた。
わたし瞬間、カッとなってさ。
気がついたら、柴をボコボコに殴ってた。
柴は歪んだ顔をして、謝ったんだ。
わたし、それ見て、なんだか泣けてきて。

そのまま、家に帰った。カバンも教室に置いてきた。
そしたら、突然来てさ。
わたし、なんだか気が狂いそうになってきて、まだセミの鳴く一本道を早足で歩いてたんだ。
そしたら学坦の泊がなぜだか、道端にいつもの青いファミリア停めてさ、車に寄りかかって、煙草吸ってた。
わたし、気がついた途端、道引き返そうと思ったんだけど、一瞬遅かった。
泊がわたしの名前を呼ぶのに、体が反応しちゃった。


もしかしたら、続くかも?しれません。

shiroyagiさんの投稿 - 23:02:59 - 0 コメント - トラックバック(0)
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