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2007-12-20

ピンクのランドセル

昨日の午後、我が家へ帰るため、駅からバスに乗りました。
最寄りの停留所で降り、2分とかからない家へと歩いていると、
同じバスを降りた小学生3年生くらいのピンクのランドセルを背負った女の子が前を歩いていました。
その女の子が、ふいっとわたしの方を振り返り、言うではありませんか。
「すみません。今何時だか分かりますか」
「うーん。今?」
コートをめくり、左腕の時計を見て、
「うんとね。今2時45分位だよ」
その女の子は、
「すみません。ありがとうございました」

その時、わたしは思ったのです。
今どき子どもが、知らないひとに声をかけたり、話してはいけない風潮が多いのに、この女の子は何のためらいもなく、わたしに声をかけたのです。
そのことが、なんだか複雑で、それでいてうれしいのを、家のカギを開けながら思ったのです。
ただそれだけの話です。


shiroyagiさんの投稿 - 16:05:22 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-11-05

『onceダブリンの街角で』

MarHearさんに教えてもらった映画『onceダブリンの街角で』を観てきた。
ダブリンのストリートで歌う男は、いつか一端のミュージシャンになることを夢見ている。そう、夢。夢がなんであれ、何か夢見ている者には、たまらない映画だなあ。
冒頭チェコから来た女の子と知りあいになり、楽器屋で軽く二人で、ギターとピアノでセッション。知らずに涙が流れていたよ。

音楽で結びつき、恋にもなりきれない、友情というには、生活という現実は厳しいけれど。
ハッピー・エンドでもない。いや、だって物語は始まっていないんだもの。
音楽を志すある一人の男と一人の女の物語の始まり、だって思った。
時に音楽はメンデルスゾーンになり、ロックになり、バラッドになる。
この映画は音楽そのものだ。そしてそれは優しくも激しい。
音楽があるから、この映画がある。映画という表現手段を取った気持ちいい音楽が、ここダブリンの何でもない街角から流れてくる。
風景を眺めるボクは、ダブリンの街の旅人になりたい。
遠くない、いつか、ダブリンで夢と希望を楽器に乗せて流れてくる音楽に耳を傾ける者になりたい。
そしていつか掴むもの。しっかりと握りしめたい。そして二度と手離さない。

shiroyagiさんの投稿 - 22:33:40 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-10-10

ミッフィー・ファンじゃないけれど『ディック・ブルーナのデザイン』

気がついたら、買ってました。(笑)

ミッフィーじゃない、ブルーナを初めて見た。しかも、うさぎ年です!!

ブックデザイン2000冊以上。
ポスターは約100点。
絵本は115冊以上。

絵本のつくりかたから、ミッフィーの歴史、秘密。アトリエ紹介からご本人出演まで。(この本サービス満点です。)


2006年2月18日、ディック・ブルーナ・ハウスオープン!!

そして、ディック・ブルーナは今もオランダ・ユトレヒトで暮らしています。
わあ、行きたくなってきましたあ。

shiroyagiさんの投稿 - 22:39:10 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-10-07

ひとつの終わりに

冒頭もなく、終もなく、人生はどの頁をひらいてみても人生であるやうに
僕らはいつも、路の途中か、考の途中にゐる。

一人の友としんみり話すまもないうちに生涯は終わりさうだ。
そののこり惜しさだけが霧や、こだまや、もやもやとさまよふものとなつてのこり、それを名づけて、人は”詩”とよぶ。

岩波文庫 金子光晴詩集 拾遺詩篇 短章から

shiroyagiさんの投稿 - 00:47:36 - 0 コメント - トラックバック(0)

2007-09-27

読書メモ ジョージ・オーウェル著『パリ・ロンドン放浪記』

イギリスの作家ジョージ・オーウェル(George Orwell,1903-1950)著『パリ・ロンドン放浪記(DOWN AND OUT IN PARIS AND LONDON,1933)』

パリでは、最下層の職業皿洗いを。ロンドンでは、働かない浮浪者生活を。そこに生きる人達・生活の描写は、正に体験しないと得られない貴重な記録である。

220ページ
「----そういう連中は軽蔑するね。しかし、あんたまで、そうなる必要はない。多少の教育があるんなら、このさき一生放浪生活をしたってかまうことはあるまい」
「----金をとりあげられたらさいご、その男はそれっきり何もできなくなっちゃうんじゃないかと思って」
「いや、そうとは限らない。その気になれば、金があろうがなかろうが、同じ生きかたができる。本を読んで頭を使ってさえすれば、同じことさ。ただ、『こういう生活をしているおれは自由なんだ』と自分に言い聞かせる必要はあるがね」

266ページ
「もし、こういう収容所をさらに居心地のいい場所にしたら、国中の滓が集まってくるじゃありませんか。そういう滓みたいな連中をかろうじて食い止めていられるのは、食事が悪いからです。ここの浮浪者たちは怠け者で働こうとしない。そこだけが彼らの悪い点なのです。----」

274ページ
「貧乏の不幸な点は、単に辛いというより、肉体的精神的に人を堕落させるところにある。」

276ページ
「----浮浪者の生活がむだになることに変わりはない。浮浪者は依然として貧乏人であり、結婚とも家庭生活とも無縁で、社会にとって完全な損失なのである。必要なのは、彼をどん底から救いあげることで、そのためにはぜひとも仕事をみつけてやらなければならない-それは仕事のための仕事ではなく、利益をあげられる仕事である。----」

いよいよ次は、『イングランド紀行(下)』を読みます。


shiroyagiさんの投稿 - 22:35:08 - 0 コメント - トラックバック(0)
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