原発問題などなかなか落ち着かない情勢ですが、女性の恋や結婚の悩みは、どんなときでも消えることはありません。私の事務所にも毎日のように男女関係の悩みが寄せられています。多いのが結婚後の「こんな人だと思わなかった」というもの。もはや手遅れか、気付かなかった自分が悪いのか、離婚すべきか、いろいろな考えが頭をよぎります。離婚原因においても、「性格の不一致」が最も多くなっています。ではなぜ「性格の不一致」が生じるのでしょうか。それは、結婚前の「思い込み」が大きな原因かもしれません。
女性の相談を受けていて、女性は相手の男性が発した“言葉”をとても重視していると感じます。きっと女性は、相手を一生懸命知ろうとするため、相手の発した言葉を逃さず、しっかり自分の記憶にとどめておくからでしょう。そして相手について「こういう人」というイメージを作って安心するところもあるようです。その結果、婚約や結婚をした後に「こんな人だと思わなかった」と、慰謝料請求に発展する例が少なくありません。私が婚約解消や離婚の事件を担当するときには、当事者にとって納得のいく結論を得るためにも、相手の言動の一つ一つを記録して証拠化していくプロセスの中で、あらためて相手を客観視するようアドバイスしています。中には、離婚調停の途中で相手を受け入れられるようになり、申し立てを取り下げた例も。相手の発した言葉の細部にこだわらず、アングルをぐっと引いてその人自身を見てあげると、相手への思い込みが解消されて、結婚する前も後も、「あれ?」ということは少なくなると思います。婚活中の方は「こんな人だと思わなかった」とならずに幸せな結婚ができるよう、相手の男性への見方を広げてみてください。
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