経済【ビジネスの裏側】リニア駅建設費を全額負担 太っ腹なJR東海の皮算用+(1/2ページ)(2011.11.26 18:00

  • [PR]

経済

【ビジネスの裏側】
リニア駅建設費を全額負担 太っ腹なJR東海の皮算用

2011.11.26 18:00 (1/2ページ)west経済
山梨県内の実験線を走行するリニア車両(JR東海提供)

山梨県内の実験線を走行するリニア車両(JR東海提供)

 JR東海が総額9兆円強を投じ、東京~大阪間に建設する「リニア中央新幹線」。奈良など沿線6県につくる中間駅の建設費について、JR東海は地元の負担を求め続けていた方針を一転、6千億円弱という全額を負担する方針を明らかにした。不況で業績不振にあえぐ企業が多い中、今どき珍しい太っ腹ぶり。その背景には何が…。

 「経営余力を高めていくことで、飲み込める範囲と判断した」。11月21日午後6時半過ぎ。山田佳臣社長は淡々と話した。

 会見場となった東京都内のホテルは、詰めかけた報道関係者で熱気に包まれていた。それに先立つ1時間前。中間駅の負担問題に関し、山田社長と関係6県の知事らが一堂に会していた。JR東海側が基本方針を提示する場を初めて設けたのだ。

 「お互いこれまでの主張を繰り返しても進まない」。今夏ごろから駅の費用負担に関し、山田社長の発言は微妙に変化し始め、関係者の間では「何らかの譲歩があるのでは」との推測が強まっていた。

 ただ、「一部負担にとどまるのでは」との見方が大半。全額負担の方針は、この日の協議まで自治体側にも伝えられなかったもようだ。「丁々発止のやりとりがあり、最後に持ち出してくるもの。1回目の協議で、いきなり必殺技を繰り出した」(国土交通省幹部)と衝撃は大きかった。

 JR東海は、年間1兆円を稼ぎ出す国内鉄道路線で最大級のドル箱「東海道新幹線」を有し、その収益力は抜群。年間どれだけの現金を稼いだかを示す連結営業キャッシュフローは約4600億円(平成20年度実績)にのぼる。

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital