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[30627] 【習作】とある一位のボーカロイド【ネタ】
Name: ネロマ◆0ad0d7c6 ID:724e455d
Date: 2011/11/24 19:43
「…あァ?」
まだ少し眠気が覚めていない頃、
幼い少女に起こされた少年、一方通行がもう一度問う。

「だから、ようつべでとっても良い曲見つけたの
って、ミサカはミサカは貴方と喜びを分かち合いたいが為に
起こしにきた!!」

グッと打ち止めに手を掴まれ、リビングまで引っ張られる。
YouTubeでいい曲見つけたとか意味不明な理由で
起こされた一方通行はすこし不機嫌な様子だ。

「これなのコレ
ってミサカはミサカは貴方の耳にイヤホンをつけてあげる。」

一方通行の耳に流れた曲は、どこかで聞いたような
意味の分からない気持ちの悪い曲だった。

『__________♪』

「こンな曲聞くなら勉強してろ。」

一方通行は歌の途中だが、
イヤホンを外し言い放つ。
打ち止めはまだグチグチ言っているが
無視して部屋に戻る。

自分の部屋に入りドアを閉じると、吐き気がした。
さっきの曲のせいか気持ち悪い。
うっとさっきより強い吐き気が襲う。
頭が痛くなってきた。フラフラと足元が狂う。
おかしい。頭に直接くるような気持ち悪さ。
これは………、

「…う、あje@xnqphatsunemiku」

ドアに持たれかかっていた少年は
全身の力が抜けたようにするりと床に倒れ込んだ。



「…なンなンだよ」
硬く目を閉じていた少年が目を覚ます。
まだ少し頭が痛む。
あのガキは無事か…と、ふらつく足で
リビングに向かう。

そこにいたのは……、

「…あ、おじゃましてます。」
膝の上に打ち止めを寝かせ、
困ったような様子で挨拶をしてきた、
緑の眩しいくらいに綺麗な髪をツインテールにしている、
どこかでみたことのあるような少女だった。

「誰だテメェ…」
相手の態度とは正反対に、威嚇するように言う。
すると少女は怯えたように、名を名乗った。

「…わ、私、ミクっていいます…。は、初音ミクです。」

聞いたところで分からないだろうと思っていたが、わかった。
初音ミク、知っている。クソガキがいっていた気がする。
それよりも、相手はこちらに危害を加える気はなさそうだ。
ミクと名乗った少女は打ち止めを抱きかかえると
こちらに歩いてきた。

「可愛い妹さんですね」
ぷちっ。さらに不機嫌になる一方通行。

「どうやったらこのクソガキと俺が兄妹にみえンだ…」

しかし、そういいながらも本当は、
嬉しかったのだった。
それを察したのかミクの方も、
少し笑顔で、違うんですか、と返せた。
そして打ち止めをソファに寝かし、言う。
「それにしてもこの娘大丈夫ですかね、
なかなか起きませんが…」

しかし、その事に関しては心配はいらなかった。
なぜなら一方通行はミサカネットワーク、打ち止めに
代理演算をしてもらっている。
もし打ち止めが危険な状態なら
自分にも何らかの影響がでるはずだからだ。

「放っときゃ起きる。」

そう言うと余計にミクは心配そうな
目でこちらを見た。
一方通行もこういうのには弱いらしく
困った様子を見せる。
沈黙が訪れたとき、ようやく少女が目を覚ます。

「……あれ、ミサカはいつの間に寝てたんだろ
ってミサカはミサカはまだ眠い目をこすりながら
身体を起こしてみる…。
ってあれ!?貴方の隣にいる女の子はもしや…
ってミサカはミサカは期待を膨らましてみたり。」

ミクは困った顔でこちらを見てから
打ち止めに頭を下げた。

「どうも、初音ミクっていいます。よろしくね。」
ミクがそういうと小さな少女は
15歳前後であろう少女に抱き付いた。

「わあ、ミクだあ!ってミサカはミサカは
喜びを隠しきれずに抱き付いてみた!
ねぇ、本物かどうかチェックしてみたいので
歌って!ってミサカはミサカはお願いしてみる。」

急な頼みだったので少し驚いたようだったが
うん、いいよとミクは返し歌い始めた。



『メルト _______♪好きだなんて____♪
_________ _____
_______好きなの♪』




余りにも綺麗な歌声だったので少し驚いた。
身体が痺れた。どういう感情なのかは分からないが、
もっと歌って欲しいと思った。

そう、今思うと俺はあの日からみくみくにされていた。




[30627] 第一話「手料理」
Name: ネロマ◆0ad0d7c6 ID:724e455d
Date: 2011/11/25 23:21
初音ミクという少女が家に来て、
二時間程してから黄泉川と芳川が帰宅した。
現在時刻はAM11:32分。
そろそろ昼飯を作り始めてよい頃だ。

黄泉川も芳川も、
この少女を見るなり俺の友達か、彼女だと
思ったらしいが、俺がそれを否定すると、
ミクがどこから来たのかなどを質問し始めた。
それに対しミクは、友達などと同じ部屋にいたのだが
皆が急にいなくなったと思うと自分は
此処に来ていた。なぜこうなったかは自分でも
分からないと言っていた。



ぐぅ~。
誰かの腹が鳴る音が聞こえる。
ミクが顔を赤らめて下を向く。
黄泉川は笑い、

「お腹がすいてたんだな。遠慮せずに言えばいいじゃんよ。」
と言った。次に、黄泉川は俺に
ミクと外食をしてこいと言った。
初めて会ったばかりの少女と外食だなんて考えるだけで死ぬ。
勿論俺は、

「ふざけてンのかテメェ。」
と言ってやったが、効果無し。

せめて打ち止めでも、と
言ったが、(実際は、「クソガキも連れて行ってやるよォ。」だったが)

「2人で親睦を深めてくるじゃん。」
とつまみ出された。
ミクと外に出された俺は
果てしなく気まずかった。


「どこに行きます?と言っても私この辺りの事
全く知らないんですけど…」
とミクが笑う。
仏頂面した少年は

「知ってる店があるからついて来い。」
と、歩き始めた。
ミクも慌てて後ろからつけて行く。

少し人通りが多いところに出た。
行きつけのコンビニを見つけたが、
買って帰っても追い出されるだろうと一方通行は考え、
やはり予定通りファミレスに行くことにした。

「すいません、お名前をまだ…」
ミクがそう聞いた。
確かにまだ、名前は言っていなかった。
黄泉川も芳川も打ち止めも
自己紹介をしていたが、一方通行はまだしていなかった。

「一方通行だ。」

そういうとミクは嬉しそうに、

「一方通行さんですね。一方通行、一方通行。
よし、覚えました。」

なんて言っていた。
少し歩くと、
異常なまでに目立つ白い髪の少年と緑の髪の少女の周りに
人が集まってきた。
ミクを携帯電話のカメラで撮影しだす
人も出てきた。
ファンなんです、握手して下さいと
お決まりの台詞を吐いて握手しに来るやつまでいた。
凄い人気だな、と改めて思わせてくれる出来事だった。
しかし、白い髪の少年は気付く。
隣の自分と、同じ歳くらいであろう
少女が、偽りの笑顔を作っていることに。

その時。
一方通行はふと思った。
なぜだか、こいつには心の底から
笑って欲しいと。


「チッ…めンどくせェ。」
周りを確認し、首元の電極の
スイッチを入れる。
少年はミクを抱く。
思春期の乙女が
一番されると恥ずかしい抱き方、
世に言うお姫様抱っこをし、
路地裏の方へと走る。

いや、走るというよりは蹴る。
たった、一回地面を蹴っただけで
路地裏に付き、
今度は上に飛び上がる。

やたらと少年が抱き抱えている少女が
五月蝿いが、全く気にしてないように
ビルの上を淡々と跳ぶ。
今度は目的地のファミレスの近くに着地した。
一瞬の出来事だったのでファンの人たちも呆然とし、
一方通行とミクがどちらの方向に行ったのか
全くわからなかった。


ぜぇはぁと息をするミクを
放って、入店しようとする一方通行。

「…ぜぇ…はぁ…いきなり何なんですか!
ビックリするじゃないですか!」

ミクが叫ぶように言う。
一方通行いわく、

「テメェはもう少し楽しそうに笑いやがれ。
あンな悲しそうな笑顔見たくねェわ。」

勿論ミクは言い返せないまま、
すいませんと謝り一方通行の後ろについた。
すると彼はくるりとこちらを向き、

「怒ってねェ。注意してンだよ。」
と言い、ミクの、頭を優しく撫でた。



一方通行の後ろ姿を見ていたミクは、
頬を赤らめ呟く。



「なんなんですか…もぉ。」



食事中2人は特に会話もなく、帰宅した。
ただ、あったとすれば、一方通行の、
「お前なンでさっきから下見てンだァ?」
に対するミクの、
「わ、わかりませんよ。もしかしたら貴方のせいだったり…」
と、最後の方はもうごにょごにょと
小さな声で1人でつぶやいているような寂しい会話だった。



「帰った。」
「おじゃまします。」
2人が言うと、まるで今帰って来るのがわかっていたかのように、
「おかえりじゃん。」
「あら、おかえりなさい。」
「おかえりなさいってミサカはミサカは2人を出迎えに行く!」

と三人の声がハモった。

やはり、この三人と一緒にいると
心のどこかで安心する一方通行だった。
勿論、此処に至るまでに、ミクと2人きりという
気まずさがあったから余計にだが。





[30627] 第二話「テメェのフラグをへし折ンぞ」
Name: ネロマ◆0ad0d7c6 ID:724e455d
Date: 2011/11/25 23:41
一方通行という少年が自宅にて倒れた時、
ほぼ同じ時間に上条宅にて似たようなことが起こっていた。


「あれ、停電か?ビリビリのせいじゃねぇだろうな…。」

この部屋はやたらとフラグを立てまくる実は幸運なこの
うざったるい少年上条当麻と、
今はエサを求め旅立った為此処にはいないが、
同居人の禁書目録という少女のものだ。

「困ったな、携帯電話どこ置いたっけ…。
こういう時に限ってよく踏むからな…ってうわっ!?」

足元にあった何かに足がつっかえて派手に転ぶ。
不幸だ、と呟き自分が何に足をかけたのか
確認しようとすると、ナイスなタイミングで部屋の
電話がget homeした。

「……は?」
視線をやったその先にいたのは、大人びた雰囲気の
白い髪を後ろで束ねた、巨にゅ……、美人な女性だった。


「今人生で初めて思えた、神様ありがとぉぉぉぉっう!…ん?」

扉がガチャリと開き少女が入る。
禁書目録というその少女は現在の上条の体制、そう、
中学生や男子高校生が見れば思わずにやけてしまうであろう、
その体制を見るなり、当麻のバカーと叫ぶ。
そしてこの後は、もうパターン。
頭に少女をぶら下げた少年の叫び、



「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」


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