北朝鮮では、穀物の収穫量が去年より8%余り増えたものの、依然、食糧不足は深刻で40万トン以上の穀物を輸入する必要があるとの報告書をFAO=国連食糧農業機関などがまとめました。
FAOとWFP=世界食糧計画は、25日、北朝鮮の穀物需給の予想に関する報告書を発表しました。それによりますと、ことし北朝鮮で収穫できるコメなどの穀物は、去年より8.5%増加する見通しだということです。それでも、国内の需要を満たすには、70万トン余り不足しており、輸入によって補える30万トン余りを差し引いてもおよそ41万4000トンが不足するとの見方を示しています。このため北朝鮮の食糧不足は、依然、深刻な状態で来年もおよそ300万人に対する食糧支援が必要になると指摘しています。また、報告書は経済成長が著しい新興国での需要の増加などで食糧や燃料の価格が高騰していることが、北朝鮮が十分な食糧を輸入できない要因の一つになっていると分析しています。そのうえで、北朝鮮の側も収穫量を増やすために、土壌の改善など農業技術の向上に努めていく必要があると訴えています。