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[30600] 【東方Project2次創作SS】 ゆゆとみょん
Name: 山谷 陸◆84d04fda ID:d70d83c3
Date: 2011/11/20 21:14
初めまして、山谷 陸(さんたにりく)と申します。
普段はTINAMIというサイトで2次創作だったりオリジナルの小説書いてます。

なるべくいろんな人に読んでもらいたいのでこちらのほうにもあげることにしました。
TINAMIのほうには自作した表紙画像も載せてありますのでよかったら。
最初はTINAMIのほうからの転載となりますが、その後は同時に投稿していこうと思ってます。
拙い文章ではありますが、ほんの僅かでも楽しんで頂ければ。


※この作品は同人サークル【上海アリス幻樂団】のZUN様が制作された東方プロジェクトの2次創作SSです。

※原作とは異なった設定、独自の解釈によるキャラクターのイメージの相違などがありますので、その辺はご了承ください。




[30600] 【東方Project2次創作SS】 ゆゆとみょん Act.1
Name: 山谷 陸◆84d04fda ID:d70d83c3
Date: 2011/11/21 13:32
                      ◇

                     閑話

                      ◇



「幽々子ー、いるかしらー? って何してるの」

紫がいつものように隙間を使って白玉楼の居間にお邪魔すると幽々子は美味しそうにお団子を頬張っているところだった。

「あわ、ゆふぁり、いわっひゃい」

まだ口に残っているにも関わらず喋るから何を喋ってるかよく聞こえない。
けど、いつもの第一声だと分かるので気にしない。

「ひゃにって、おでゃんごてゃべてるの」

「ちょっと、それ今夜の十五夜のじゃない。食べてもいいものなの? あなたの所の庭師が今日のために買ってきたものでしょう?」

紫も今夜の十五夜、幽々子たちと月見を楽しむためにきたのだ。そのお供え物であるはずのものが目の前で数を減らしていたので気になったのだ。

幽々子は口の中のものを飲み込む。

「ふぅ、いいのよ紫。妖夢にはもうひと頑張りしてもらうから。もうすぐススキを持って帰ってくるころだし」

「もうひと頑張りって……。あの子も可愛そうね、こんな主をもって」

「もう、紫は分かってないんだから。妖夢はね、面倒事を一生懸命頑張っているところが可愛いのよ?」

ふふっ、と口元を袖で隠しながら笑う幽々子を、紫は相変わらずだなと思った。



                


                         閑話休題



「幽々子さまー、ただ今戻りましたー」

妖夢は白玉楼へ帰ってくるとまず屋敷全体に帰宅の合図を響き渡らせる。
しかし、それは別に幽々子本人に伝えるためというわけでもなく、もはや自然と発してしまうほど慣れ親しんだ習慣だった。

「お帰り妖夢。良いススキは見つかった?」
「はい、この通り立派なススキが手に入りました」

妖夢の両腕には立派なススキが抱えられていた。

「あらすごいわね。そんなに立派なのどこから盗んできたの?」
「ゆ、幽々子様、そんなことしてませんよ! どこぞの魔法使いと一緒にしないでください」

妖夢は慌てて幽々子のことばを否定する。

「やーね妖夢、冗談よ」

冗談で言っているように聞こえないから困るのだ。

「それにしても今年は神社にも立派なススキが生えたものね。霊夢も喜んでいたんじゃない?」

神社とはもちろん博麗神社のことである。

「そうですね。霊夢さんも例年にないくらい立派なススキが生ったって驚いてました。そのせいかススキを頂きに行った時点で、既に結構集まってましたから」

妖夢が博麗神社を訪れた際には、まだ日が完全に落ちていないにも関わらず紅魔館の面々がすでに境内のほうに陣取っていた。

「その様子だともちろん鬼たちもいたんじゃないかしら?」
「仰る通りで。萃香さんと勇儀さんは既にお酒に手を付けて酔ってましたよ」

やっぱりね、そう言って幽々子は微笑む。

「それではこちらもお月見の準備をしますね」

妖夢はススキを持って台所のほうへ姿を消した。
数分後、幽々子はそろそろね、と手で両耳を塞ぐ。

するとタイミングを計ったかのように……

「ゆ~ゆ~こ~さ~ま~!」

妖夢の怒号が屋敷中に響き渡った。
そしてすぐに台所へ行っていた妖夢が居間のほうへ戻ってくる。

「幽々子様! あれだけ言っておきましたよね? お団子は今夜のお月見用のものですから食べないでくださいって。それが戸棚の中のお皿の上、綺麗になくなってるじゃないですか!」

「妖夢、それは無理というものよ。だって妖夢がお昼を作っていてくれなかったんだもの。お腹が減るのは当然でしょう?」

「そ、それは確かにそうですけど」

確かに今日、お昼ご飯を作り忘れていたのは事実だった。

「ってことで妖夢、もう一度お団子の調達よろしくね~」
「そんな、幽々子様。あれも結構手に入れるの苦労したんですよ! これからじゃ手に入るか……」

「それも妖夢の仕事でしょ? ほらほら、急いで急いで」

幽々子に背中を押されて妖夢は再び屋敷の門を出る。

「妖夢、ついでにお酒の方もよろしくね~」

幽々子の笑みにもう行くしかないと諦める。

「それじゃ行ってきますから、ちゃんと待ってくださいね?」

「大丈夫よ。もう食べないから」

そうですか、と頭を悩まされながらも妖夢はお団子調達のために今一度出かけることにした。

「さてと、それじゃ私たちも行きましょうか」

「まったく、あなたも意地が悪いわね」

誰もいない中空に言葉を投げかけると、そのすぐ横に隙間が発生し、そこから紫が顔を出す。

「あれくらいでいいのよ」

ふふふっと、微笑む幽々子。

やれやれ、と思いながらも幽々子を隙間の中へ招き入れ紫は隙間を閉じた。









[30600] 【東方Project2次創作SS】 ゆゆとみょん Act.2
Name: 山谷 陸◆84d04fda ID:d70d83c3
Date: 2011/11/21 22:56
「はぁ、幽々子様は本当、もう少し我慢出来ないものでしょうか……」



妖夢は大きため息をつきながらも、目的の場所へ向けて空を飛ぶ。



「そもそも戸棚にはちゃんと鍵を掛けておいたのにどうやって開けてるんですか、まったく」



そしてもう一度ため息をつく。



その遥か上空、隙間に座りながら妖夢に気付かれないように後を追う二人の姿があった。



「それで、どうやって開けたのかしら?」



隣に座っている幽々子に、妖夢の疑問を問いかける。



「あら、簡単よ。これまで色んな鍵を試したみたいだけれど、数字を合わせるタイプなら近くで見ていた幽霊に聞けば分かるし、鍵を挿すタイプのものは幽霊を直接ねじ込めば一発なのよ?」



「あはは、それは随分とまた……」



反則的だと、紫は思った。



その方法はどっちも幽々子にしか出来ない。



妖夢は半人半霊なので、まだ幽霊と会話することは出来ないのだった。



「本当、妖夢に同情するわよ」



ため息を吐きながら肩を落とす。



「何言ってるのよ紫ったら。紫だって家事から何まであの子たちにさせてるじゃない」



幽々子の言うとおり、紫にも式神ではあるが従者が二人ほど存在する。



「あの子たちって藍と橙のこと?」



藍は紫の式神、橙は藍の式神である。



つまりチェンは紫の式神の式神にあたるわけだ。



「そうよ。毎日起こしてもらったり、ご飯作らせたりしてるじゃない」



「何言ってるのよ。私のほうはさせてるんじゃなくて、してくれるのよ。幽々子みたいに無理矢理 押し付けてるわけじゃないわよ?」



「あら、私だって別に押し付けてるつもりはないのよ? ただ妖夢が、お願いしたら何でも引き受 けてくれるんだから」



お願いしているといっても、妖夢にはきっと拒否権とかないんだろうな、と紫は思った。



けれど、そう考えてみるとこっちの二人は、自分たちがやるしかない責任感でやっていると考えると、あまり差はないように思えてしまった。



「どっちもどっちってことかしら?」

「そういうことよ」



そういうことで二人して落ち着いた。



「ぁ、見て見て紫、そろそろ神社に着くころよ」



いつの間にずいぶん先を飛んでいた妖夢の向こうを見ると、鳥居が見えた。



「自分で飛ばなくていいと楽でいいわね」



「私としては隙間を行き来するほうがいいんだけど」



そう、紫なら隙間を潜るだけで瞬時に目的の場所へ行けたのだが、幽々子の希望でわざわざ空を移動していたのだ。



「それだと一瞬で着いちゃうから面白くないじゃない。後ろを付いていくほうが、なんかイケない事をしてる気持ちになれて楽しいじゃない」



「あなたはすでにイケない事をしてるって自覚がないのかしら?」



「いいじゃない。済んでしまったことは考えちゃだめよ?」



「そういうものかしら?」



「そういうものよ」



そこで紫も本日2度目のため息。



紫は少しだけ、藍と橙への扱いを考え直そうと、そう思った。








[30600] 【東方Project2次創作SS】 ゆゆとみょん Act.3
Name: 山谷 陸◆84d04fda ID:d70d83c3
Date: 2011/11/23 14:59
博麗神社では月が真円描くとき、神社の周囲にススキを生らした。

神社の主、博麗の巫女である霊夢は、その日を迎えると決まってお月見をするようにしている。
ちなみにこのお月見、以前まではお供えとして霊夢がお団子を用意し、そのお団子を狙って現れる魔理沙の二人でひっそりと行われていた。

しかし、今現在はというと――

「ちょっとあんたたちー! まだはっきりと月が昇りきってないのに、どうしてもうそんなになっているのよ」

「まあまあ、いいじゃないか霊夢。あの二人に酒を飲むなっていうほうが無理ってもんだぜ?」

霊夢と魔理沙の視線の先に居るのは、すでにお酒が入って酔っている、勇儀と萃香だった。

「はあ、まったくもう少し自重して欲しいわよ」

「そう言うなって。あいつらが持ってきてくれなきゃお神酒用の酒だってなかったんだぜ?」

霊夢は一つため息をつく。

「しょうがないわね。ならせめて、今飲んでるのを飲み終わったら一旦ストップって言って来て頂戴、魔理沙」

「了解だぜ!」

そう言って魔理沙は二人のもとへ向かった。

その横では紅魔館の面子が優雅に紅茶なんかを飲んでいた。

どこから持ち込んだのか、ティーカップの並んだテーブルが置いてあり、パチュリーとレミリアとフランがその周りに置かれている椅子に座っている。

その横では咲夜が紅茶を注ぐ。

美鈴がいないのはご愛嬌。

といっても門番の仕事で置き去りにされているわけではない。

つい先ほど、酔った勇儀と萃香に無理矢理お酒を飲まされ、あえなく横でダウンしている真っ最中だった。

もちろん、紅魔館の連中のみならず、永遠亭や守矢神社の面々、地霊殿からはペットを引き連れた古明地姉妹も博麗神社に来ていた。

「霊夢さーん」

そんな博麗神社へ本日、妖夢が訪れるのは2度目である。

「あら、妖夢じゃない。どうしたのよ? さっきススキを持って行ったからてっきりもう、白玉楼で幽々子とお月見してるころだと思ってたんだけど」

「あの、そのことなんですけど……どうやら幽々子様が昨日霊夢さんから頂いたお団子を全部食べてしまったみたいなんです」

妖夢は申し訳なさそうに、再び来訪した理由を話す。

「まったく、あなたの所の主は相変わらずね」

「すいません霊夢さん。私の管理がなってないばっかりに」

「いや、別に妖夢を責めてる訳じゃないのよ。それに多分どうやっても防ぐことなんて出来ないだろうし」

「そんなことないですよ! 今回はまた幽々子様にしてやられてしまいましたけど、この次はこんなことは起こさないように……」

「だからそれが無理だって言ってるのよ。妖夢、あなたのことだから毎回隠す場所を変えたり、ちゃんと鍵を掛けたりはしてるんでしょ?」

「確かにその通りですけど、どうして無理だと思うんですか?」

「なるほどね。妖夢の正直なところにつけ込んでるところが意地が悪いわね」

「霊夢さん、一人で納得してないで教えてくださいよ」

「止めとくわ。ここであたしが種明かしをしてもあなたじゃどうしようもないもの。知りたかったら幽々子本人から直接聞くといいんじゃな?」

「そんなー。霊夢さんも霊夢さんで、案外意地の悪い人だったんですね」

「意地悪だなんて失礼ね。毎回魔理沙に色々たかられてる身としてはこれくらい普通よ」

それを言われた妖夢は、なるほど、と納得するしかなかった。

「それで妖夢、その話だとまたここに来たのは、なくなったお団子をもらいにきたってことでいいの?」

「そうでした! 月が昇り切るのも、もう少しなので急いでたんです」

「残念だけど、こっちも既になくなっちゃったのよ」

「へ? それ本当ですか?」

「当たり前でしょ。相手が魔理沙じゃないんだから、嘘なんてつかないわよ。今回はいつもと同じ量のお団子を用意したのに対して、集まった人数がこれなんだもの。あなたたちに上げられる分はもう残ってないのよ」

「そ、そうですか……」

急いで来たというのにお団子が手に入らないとあって、妖夢は肩を落とした。

「やれやれ、あいつらやっと酒の手を止めてくれたぜ」

「そう、ありがとうね、魔理沙」

「お礼なんていらないぜ。あいつらを止めないとアタシの分まで飲まれちまうからな」

妖夢と霊夢のもとに二人の鬼の暴走を止めた魔理沙が戻ってきた。

「おや、妖夢久しぶりなんだぜ。こんなところでどうしたんだ?」

「それがね。どうやら昨日お月見用にお団子を幽々子が食べてしまったみたいなのよ。それでまたもらいに来たみたいなんでけど、こっちもこっちでもう分けてあげられる分もないでしょ? まあ、魔理沙が自分の分をいらないって言うならないこともないんだけど」

「待った待った! そりゃないぜ霊夢。こっちだって団子が唯一の楽しみで来てるっていうのに、それを取られたら元も子もないぜ?」

「ってことで妖夢。やっぱり分けてあげられるお団子はないのよ。ごめんなさいね」

「いえいえ、もとはと言えば、一度もらったものをもう一度頂きに来たこちらのほうがおかしな話なんです。ちゃんと理由があれば幽々子様もきっと諦めてくれるでしょう」

「そうだといいんだけれど」

「なんだ、だったら慧音の所に行ってみたらどうだ? あいつのことだ、どうせ寺子屋の子供たちとしてるんだ。月見用の団子もたくさん用意してるんじゃないか?」

「ちょっと魔理沙、それはそうかもしれないけど慧音がそう簡単にお団子を渡してくれるかしら?」

「それならきっと大丈夫だ。もらいに行くのがあたしじゃなくて妖夢だからな。あたしが行ったらお払い箱だとしても、妖夢なら理由を話せば多分分けてくれると思うぜ?」

「そういわれてみると確かに。あんたが言うと説得力があるわね」

「そうか? なんか照れるぜ」

「褒めてないってば」

「つーことだ妖夢、急いでるならすぐに慧音の所へ向かった方がいいぜ」

「分かりました。霊夢さん、魔理沙さん、ありがとうございました」

そう言って妖夢は再び空に舞い上がると慧音が寺子屋を開く人間の里へと向かった。

「どうやら霊夢にはネタが割れてるみたいね?」

「まあ、霊夢だしね。もしかしたらあたしたちのこともバレてるかもね」

「何を呑気に言ってるのよ。霊夢の所でお団子の調達が間に合わなかった分、さらに面倒なことになってきてるじゃない」

「まあいいじゃない。それより見た紫? さっきの落ち込んでた妖夢。あんな感じになってる妖夢も捨て難いわね!」

「何言ってるのよあなたは」

落ち込んだ妖夢を眺めて楽しんでる幽々子を見て、紫はホトホトあきれた様子だった。

「それじゃまた追うわよ、紫」

「はいはい、分かったわよ」

今日は妖夢を眺めて楽しむ幽々子に、ひたすら呆れさせられるんだろうなと思う紫だった。







[30600] 【東方Project2次創作SS】 ゆゆとみょん Act.4
Name: 山谷 陸◆84d04fda ID:d70d83c3
Date: 2011/11/23 22:23

博麗神社から少しばかり離れた場所に幻想郷で唯一人間が住む、人間の郷が存在する。
 
人間の郷の名の通りそこには人間しか住んでいないのだが、そこで人間の子供を対象に寺子屋というものがある。

学校と言えばいいのか、塾と言えばいいのか。

そこで授業をしているのが上白沢 慧音である。

「慧音さーん、いらっしゃいますかー?」

妖夢は博麗神社を立って数分でそこに着いた。

もちろん時間がないので急いだからである。

「はいはい、どなたで――、おや、妖夢さんですか。十五夜の夜にどういたしました?」

「あの、それがですね」

これまでの経緯をかくかくしかじかと慧音に伝える。

「なるほど、そういうことですか。でしたら、子供たちの分は上げられませんけど、私ともこ――」

「けーねせんせー! 早くお月見するよー!」

「わ、わ! お、押さないでください!」

奥の方から現れた子供たちに、慧音は連れて行かれてしまった。

「あー……、慧音さーん、お団子の方は……」

「残念だが妖夢、こっちも人数分しかないからあげることは出来ないぜ?」

「あ、妹紅さん」

その場に残された妖夢に後ろから声をかけたのは妹紅だった。

「今日は寺子屋に通う子供たち以外にも、たくさんの子がきているからな。分けてやれる団子はないんだよ」

「そうですか……」

うなだれる妖夢。

「どうしよう。もう時間もないし、私に他の当てなんて」

「そう焦るな。ここまで来て、骨折り損ってのも可愛そうだしな。輝夜の所に行ってみるといい。といっても永遠亭じゃないぞ? さっきここへ来る途中に輝夜が薬剤師と一緒にお団子を子供たちに配っていてな。きっと永遠亭のウサギどもがついたんだろう」

「輝夜さんですね! わかりました、妹紅さんありがとうございます」

「おい、ちょっとまて! 郷のどこらへんにいるか聞いてから……」

妹紅が引き止める声は届くことはなく、妖夢はすぐさま寺子屋を飛び出していった。

「まった、郷中駆け回る気かあいつ」

呆れる妹紅。

「まあ、いいか。こっちは私と慧音の分のお団子を持って行かれずに済んだし」

そしてほっともする妹紅。

妖夢が来てからの一部始終を寺子屋の外から見ていた妹紅。

慧音が自分たちの分の団子を渡したらそれはそれでいいと思ったが、やっぱりこうしてあげずに済むと、慧音と一緒に団子を食べながらお月見ができる楽しみがなくならずに済んでよかったと思う。

「ちょっと、やっぱりめんどうなことになってきてるじゃない」

「え? なんのことかしらー」

「何とぼけてるのよ。ほんとはここらで妖夢がお団子の調達をすませて戻ってくる予定だったんじゃない?」

「や、やーね紫ったら。そんなことないわよ」

図星だった。

「こうなったら最後まで妖夢に付き合ってあげるわよ?」

「もちろんよ。もう少し焦った妖夢が見れそうだしね」

そう言って、再び妖夢の追跡を再開したのであった。








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