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【社会】

長男「殺意分からない」 豊川一家殺傷 初公判

2011年11月24日 14時24分

 愛知県豊川市の民家で昨年4月、同居する父親ら家族5人を殺傷し、自宅に火を放ったとして、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた長男の無職岩瀬高之被告(31)の裁判員裁判初公判が24日、名古屋地裁岡崎支部で始まった。岩瀬被告は罪状認否で、家族を刺したことを「よく覚えていない。(殺意は)分からない」と答え、放火は認めた。弁護側は「責任能力は限定的で殺意はない」と傷害致死罪の適用を主張し、起訴内容を一部否認した。

 公判前整理手続きでは、岩瀬被告の自閉症障害と知的障害の影響による責任能力と殺意の有無に争点が絞られた。東海3県では複数人が殺害された事件の裁判員裁判は初めて。

 検察側は冒頭陳述で「弟(三男)家族が同居するようになって思い通りの生活ができなくなり、不満を募らせた。以前から『殺して火を付けるぞ』と家族を脅していた」と指摘。「5分間に家族5人を刺し、全員に対して強い殺意があった。中等度知的障害と自閉症障害はあるが、責任能力に関係はない」と主張した。

 弁護側は冒頭陳述で「自閉症障害などがあり、事件当時は混乱していた。判断能力が著しく落ちていた心神耗弱の状態だった」と減軽を求めた。30日に論告・求刑があり、12月7日に判決が言い渡される予定。

 <豊川一家5人殺傷事件> 2010年4月17日未明、愛知県豊川市伊奈町で発生。起訴状などによると、岩瀬被告は同居する家族5人を包丁で刺し、父親の一美さん=当時(58)=とめいの金丸友美ちゃん=同(1)=を殺害。母親ら3人に大けがを負わせ、自宅に放火したとされる。岩瀬被告は中学卒業後、会社に1年間勤務したが、退職後、14年ほど自宅に引きこもっていた。

(中日新聞)

 

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