横浜市港北区の道路側溝付近の堆積(たいせき)物から放射性ストロンチウムが検出された問題で、文部科学省は24日、「東京電力福島第一原発事故で、新たに沈着したものとは言えない」などとする再調査結果を発表した。
堆積物からは、ストロンチウム89と90の合計が1キロあたり最大129ベクレル検出されたと横浜市が発表。これに対し、文科省が周辺を含めた4カ所を再調査した結果、半減期が50日と短いストロンチウム89がいずれも検出されず、同90も最大1.1ベクレルで、事故前の全国調査の最大値30ベクレルを下回った。過去に行われた大気圏核実験による降下物とみられるという。
文科省は横浜市との食い違いについて、横浜市が測定を依頼した民間の分析機関・同位体研究所が「ストロンチウムのほか、天然核種を含めて測定している可能性がある」と指摘する。文科省の検討会の専門家によると、同研究所が用いた測定法は、通常は1カ月ほどかかるストロンチウムの検出が1日で可能とされるが、ラジウムや鉛などの核種も含まれるという。