沖縄市で交通事故を起こして、会社員の男性を死亡させたものの、公務中だったことを理由に、日米地位協定に基づいていったん不起訴になった、アメリカ軍の男の軍属について、那覇地方検察庁は、地位協定の運用を見直すとした日米両政府の合意を受けて、一転して、25日、この軍属を起訴する方針です。
この軍属は、沖縄県のアメリカ軍基地の中にあるスーパーに勤めるアメリカ人の24歳の男の軍属で、ことし1月、沖縄市比屋根の国道で、車を運転中に軽乗用車に衝突し、軽乗用車を運転していた当時19歳の会社員を死亡させたとして、自動車運転過失致死の疑いで書類送検されました。那覇地方検察庁は、この軍属について、「職場から自宅に戻る途中で、日米地位協定上、日本側に最初に裁く権利がない、公務中の事故だった」として、不起訴にしていました。その後、アメリカ軍はこの軍属を5年間の運転禁止処分にしましたが、遺族の申し立てを受けた検察審査会が、仮に公務中であったとしても処分は軽く、日本が裁判権を行使すべきだなどとして、ことし5月、「起訴すべき」と議決したため、那覇地検が再捜査していました。こうしたなか、日米両政府は23日、地位協定の運用を見直すことで合意しました。これを受けて那覇地検は、一転して「公務中だが、死亡事故という重大なケースで、日本が裁判権を行使する必要がある」として、25日、最高検察庁などと最終協議を行ったうえで、この軍属を自動車運転過失致死の罪で起訴する方針です。