衛星利用し通信実験 県庁と南部県民局、大規模災害に備え 2011/11/24 14:38
県は23日、大規模災害時の通信手段を確保するため、美波町奥河内の県南部県民局美波庁舎と県庁間で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「きずな」を使ったインターネット通信実験を行った。県とJAXAによる遠隔地を結ぶ通信実験は初めて。
近海で発生した巨大地震と津波により、美波庁舎の通信回線が喪失した想定で、県職員ら22人が参加。直径45センチのアンテナが付いた基地局を美波庁舎屋上に設置し衛星と通信。衛星を利用してインターネットへ接続し、テレビ電話などで県庁の災害対策本部へ県南部の被害状況を報告した。
県職員が通常業務で使う県庁内ネットワークへの接続も確認。災害情報共有システムへの情報提供やメールの送受信を行った。県はJAXAと2010年に実験協力協定を締結。きずなは、東日本大震災の被災地でも活用された。
【写真説明】人工衛星を使ってインターネットに接続し、県庁とテレビ電話で話す県職員=美波町奥河内の県南部県民局美波庁舎