食品規制値:「乳児用」を新設 厚労省

2011年11月24日 21時9分

 食品に含まれる放射性物質の新たな規制値作りで、厚生労働省は24日、食品区分に「乳児用食品」を新設し、食品全般を「一般食品」として一つにまとめたうえで、現行の5分類を4分類にする案を審議会の部会に提案、了承された。同省は放射性セシウムの被ばく限度を現在の年5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げる方針を踏まえ、年内に食品区分ごとの規制値案を設定、来年4月の施行を目指す。

 厚労省は、粉ミルクなど乳児用食品の区分を設ける理由を「食品安全委員会から、小児の期間は感受性が成人より高い可能性が指摘された」と説明した。同委は10月、チェルノブイリ事故で小児に甲状腺がんなどのリスクが増加したとする疫学データを基に同省側に適切な措置を求めた。

 見直しの背景には、幼い子を持つ母親らから「子供にはより厳しい基準を」との意見が同委に多数寄せられたことがある。厚労省もこうした声を重視し、今後対象の乳児用食品を具体的に検討する。

 また、現行の「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」の3区分を「一般食品」としてまとめるのは、「パン」「コメ」など食品ごとに細かく分けると、個人の摂取する食品の偏りによって差が出るためだ。そもそも食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会の規制値も「一般食品」と「乳幼児用食品」の2区分のみ。「食習慣の違いによる影響を最小限にし、分かりやすい規制にしたい」(同省)という。

 一方、全世代で摂取量が多い「飲料水」(調理に使う水も含む)や、子供の摂取量が多い「牛乳」は、特別な配慮が必要との考えからそれぞれ独立した区分を設ける。

 現在の暫定規制値は、成人、幼児、乳児の世代ごとの平均的な食品摂取量などを基にセシウムの被ばく限度値を算出。うち最も厳しい数値を規制値とし、全年齢に適用している。新たな規制値も同じ方法で算出するが、年代を「1歳未満」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の五つに細分化。「13~18歳」と「19歳以上」は男女差により摂取量に大きな違いがあることから、男女別に摂取量を調べ、きめ細かく評価する。【佐々木洋】

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