本格復興予算である11年度第3次補正予算が成立し、臨時国会は後半日程に入った。自民、公明両党は次期通常国会での衆院解散に照準を合わせつつあり、野田佳彦首相への対決姿勢を強めている。
復興関連法案はもとより衆院の1票の格差の是正、国家公務員給与の引き下げなど決着すべき課題はなお多く、残りの会期で政争を繰り広げるような局面ではない。とりわけ自民は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの課題にのぞむ自党の政策の立場をより、はっきりさせることが先決である。
今国会は12月9日に会期末を迎える。だが、補正予算成立まで1カ月を要したため、重要法案を処理する日程は窮屈だ。
復興関連法案のうち特に処理を急ぐべきは復興特区法案だ。この法案が成立しないと住民の高台移転、税制優遇、復興交付金の対象となる事業の多くなどあらゆる枠組みができず、3次補正は稼働しない。被災地の窓口となる復興庁設置のための法案も含め、与野党は一日も早く接点を探らねばならない。
最高裁が違憲状態と判断した衆院「1票の格差」是正も危うい。まずは「1人別枠」の廃止による区割り変更を優先すべきなのに選挙制度の抜本改革論と調整がつかず、今国会の法改正見送りが一部でささやかれる。「どうせ最高裁は無効判決を出せない」とたかをくくり、違憲状態で衆院選に突入するつもりなのであれば、立法府の自殺行為に等しい。
国家公務員給与を7.8%引き下げる法案の行方も見えない。人事院勧告の扱いや、国家公務員への労働協約権付与をセットで実現するかについて民主、自民両党の対立が解けないためだ。結局、引き下げは実現せず与野党で責任をなすりつけあうような展開は願い下げだ。
重要案件決着に道を開くため、政府・与党には会期延長はもちろん、大胆な譲歩に踏み切る柔軟さが求められる。だが、それはあくまで自民が責任ある野党として国会での合意形成に取り組むことが前提だ。山岡賢次消費者担当相がマルチ商法業界との関係をめぐり、野党の追及に対し国会でていねいに説明することは当然だ。だからといって、参院での問責決議などで国会の審議日程がいたずらに混乱するようでは国民の理解は得られまい。
自民は次期通常国会で野田内閣が消費税増税関連法案を提出した後がヤマ場とみて、衆院解散へ揺さぶりを強める構えという。ならばまず、態度があいまいなTPP問題などで政策をまとめ、国民の審判に堪えうる材料を示すべきだ。足元を固めないままの政争は禁物である。
毎日新聞 2011年11月24日 2時32分
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