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【国際】

米韓FTA発効へ 韓国強行可決

野党の民主労働党議員が催涙弾を持ち込み破裂させる騒ぎが起きた本会議場=22日午後、韓国国会(聯合=共同)

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 【ソウル=篠ケ瀬祐司】韓国の与党ハンナラ党は二十二日、国会本会議で、米国との自由貿易協定(FTA)批准同意案を野党の反対を押し切り強行採決で可決した。米国は既に批准手続きを終えており、米韓FTAは来年一月一日にも発効する。米韓間の工業製品と消費財の関税は95%以上が五年以内に撤廃され、両国間の貿易、投資が拡大するとみられる。

 民主党など野党議員は議長席に詰め寄り採決中止を要求。民主労働党議員が議場で催涙弾を破裂させた上、議長席に向けて催涙性の粉を投げつけるなど、混乱の中での可決だった。韓国メディアによると、議場で催涙弾が使われたのは初めて。

 与党が採決を強行したことで、来年四月の総選挙や同十二月の大統領選に向け、与野党間の対立がさらに強まるのは確実だ。

 採決は当初、二十四日とみられていたが、ハンナラ党が二十二日の本会議開催を要求。常任委員会での採決を省略し、招集された本会議で同意案を議長職権で上程した。

 定員二百九十五人のうち、ハンナラ党のほか保守系野党議員ら百七十人が採決に参加した。賛成百五十一、反対七、棄権十二だったが、投票行動は現時点で非公開。

 野党側は米韓FTAに盛り込まれた投資関連(ISD)条項が「国内ルールが守られず、中小企業や国民が不利益をこうむる可能性がある」と指摘。同条項の廃止・留保に向けた米国との再協議が必要だと主張してきた。

 李明博(イミョンバク)大統領は、異例の国会訪問で「FTA発効後、三カ月以内に米国に再協議を求める」と妥協案を示したものの、野党側は拒否。与党側は「やるべきことはすべてやった」などとして強行採決に踏み切った。大統領府は批准同意案可決を歓迎し「韓国経済の活力回復、若年層の雇用拡大に万全を期す」との談話を発表した。

 

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