25年前にはコンピューターを使った高度なゲームとシミュレーションは軍が開発して作るのが当たり前で、「集約型で、堅苦しく、階層型の開発環境だったため、契約者によって指定されたとおりの高コストのソフトを、強力なワークステーション用に開発していた」一般のユーザー向けのゲームはコンピュータが非力だったこともあり、「ちゃちなもの」だったので、軍事用途には使いようがなかったのだ。
3Dグラフィックスを持ち、ユーザーが自由に改造・改変することを認めるようなパソコン用のゲームが登場した。ユーザーが主導する形でソフトのイノベーション引き起こされるようになる。それがネットを介して、ユーザー間に広がり、オンラインのマルチプレイヤーゲーム分野を急成長させるようになった。
その結果、「技術革新という点では民間のゲーム産業の方がはるかに進化のスピードが速まった。何百万、何千万人ものゲーム愛好者が極めて熱心に、世界的なネットワークで結ばれ、自由に組織を作って、皆が自分が一番になろうと必死になっているからだ」。
同記事の結論では、未来像として「軍はこの(民間の)アプローチでシミュレーション技術に対し、文化的に大きなシフトを進めようとしている」と書かれている。
■ゲームが軍事訓練に使えることが証明された
米国では1997年に、専門家による米学術研究会議(NRC)が防衛と民間のゲーム技術を合わせた調査研究の必要性を指摘していた。
国防総省はその勧告に従い99年に、陸軍にゲーム開発のプロジェクトを行わせている。これが、民間のゲームエンジンである米エピックゲームズ「UnrealEngine」を使って開発され、02年に「America’sArmy」というマルチ対戦型の一人称シューティングゲームがリリースされた。
これは陸軍の新兵のリクルート用の宣伝ソフトとして無料公開され、累計で900万以上もダウンロードされる人気ゲームとなった。ゲームは実際の新兵が最初に取り組むのと同じ訓練プロセスを経るような構成になっている。
このゲームを通じて、民間のゲーム技術が実際の訓練に使えるということが軍の中でも認知され、民間の技術を使って訓練用ゲームも開発が積極的に行われるようになる。
やや遅れて、NATOでこの動きが急激に広がりつつあるというのが現状のようだ。
RTOでは、各国の担当者が参加してビデオゲームを共同で遊ぶというワークショップを08年から12回行っているが、なんとこの場では一般に販売されているゲームを皆で遊んでいるという。
空戦フライトシミュレータゲームの「Falcon4.0」や「America’sArmy」のほか、軍事には関係ないが技術的に進んでいると見られる一人称シューティングゲームの「ハーフライフ2」などが含まれている。
NATO、ゲーム
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