「携帯の調子悪いの?」
「そんなことないよ」
11月末にさしかかった辺りから 美和子への連絡がつけづらくなった
電源を切っているらしく
通話は勿論 メ-ルの返信もかなり遅くなっていた
俺は イライラしていた
美和子とのゲ-ムの終わりが見えてきて
その終わり方を 考えていた
正確に言えば
終わり方じゃない
終わらない方法をだった
このまま 延長しないか
なんて言葉を
どのタイミングで言おうかと思ったりしていた
この時 俺は
どのタイミングで言いだしても
“延長? う~ん… そうしようか”って
返事だと思っていた
同じ気持ちだと思っていた
美和子と このことについて
話し合わなければいけないと 思っていた
なのに…
その日を予告もなしに
美和子は 俺に奇襲をかけた
12月の第1週の月曜日の朝
俺は美和子と一緒にいた…
泊ったホテルから出勤しようとした俺の背中に向って
美和子が言った言葉は
“いってらっしゃい”じゃなくて
「和也…」
「ん?」
「愛してる…」
ゲ-ムセットを意味する
その言葉だった