米財政脅かす議員エゴ 赤字削減協議決裂 国防費さらに圧縮も (1/3ページ)

2011.11.23 05:00

米議会超党派委が財政赤字削減で合意できなかったのを受け、オバマ大統領は「妥協を拒否した」と共和党を非難。自動歳出削減回避には拒否権発動の考えを示した=21日、ワシントン(ブルームバーグ)

米議会超党派委が財政赤字削減で合意できなかったのを受け、オバマ大統領は「妥協を拒否した」と共和党を非難。自動歳出削減回避には拒否権発動の考えを示した=21日、ワシントン(ブルームバーグ)【拡大】

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 財政赤字削減策の取りまとめを目指していた米議会の超党派委員会の共同委員長、共和党のヘンサーリング下院議員(テキサス州)と民主党のマリー上院議員(ワシントン州)は、実質的期限の21日、「期限までに超党派の合意が可能でないとの結論に達した」との声明を発表した。この結果、赤字削減をめぐる民主、共和両党の争いが2012年の大統領・議会選挙まで持ち込まれるとともに、1兆2000億ドル(約93兆円)の歳出が自動的に削減される可能性が高まっている。

 ◆削減回避に拒否権

 オバマ米大統領は「良識の声に耳を傾けず、妥協を拒否した」と共和党を批判。13年からの自動的な歳出削減を回避しようとする動きに対しては拒否権を発動する考えを示した。

 両党は共に失望の意を表明し、互いに相手の責任を指摘。民主党は共和党が増税問題で妥協しないと批判する。共和党は民主党がメディケア(高齢者医療保険制度)などの給付金プログラム改革の検討を拒否したと非難した。

 共和党のマコネル上院院内総務(ケンタッキー州)は、民主党が共和党の「誠意のある」提案2つを拒否したと指摘。「われわれは小さな政府を目指すほか、将来の世代のため給付金制度を保護・改革し、雇用拡大に向けより良い環境を創り出す取り組みを継続する」と述べた。

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