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ネット化粧品:薬事法違反容疑で2業者を摘発…島根県警

 大阪、福岡両市の化粧品販売業者が、輸入化粧品に無許可で成分表示し、インターネットで流通させたとして、島根県警は22日、2社と両社役員らを薬事法違反の疑いで書類送検した。また、2社は大阪、福岡両府県の立ち入り調査を受け、国内で使用が禁止された成分を含む化粧品など約120万個(3720品目)の自主回収を始めた。両府県は薬事法に基づき行政指導している。業界関係者によると、化粧品の自主回収としては過去最大規模。

 2社は「T&Tトレーディング」(大阪市中央区)と「ココキタムラ」(福岡市早良区)。県警は2社から化粧品を購入し、大手ネット通販サイトで販売していた島根県浜田市の化粧品販売会社、旧「イノベート」(別の会社が買収)の元社長(46)を、10月に自社株売却を巡る詐欺容疑で逮捕し、2社の関わりを調べていた。松江地検は元社長を詐欺と薬事法違反の罪で起訴した。

 送検容疑は元社長らと共謀し、輸入した化粧品に、無許可で成分表示をして販売したとされる。2社の役員らは容疑を認めている。

 大阪府などによると、2社は07~10年、輸入した化粧品に、成分や製造販売業者名を日本語で記したラベルを貼らなかったり、使用禁止の成分を含んだ化粧品をイノ社に卸したりしていた。

 福岡県は昨年6月、コ社に立ち入り調査。T社は同年9月に1093品目、コ社は同年7、9月に計2627品目の自主回収を始めた。無認可成分を含む化粧品は約1270個出荷されたが、2社は「健康被害を生じる可能性は少ない」としている。

 T社は自らネットで化粧品販売も手がけているが、社長は取材に対し「自分のサイトでは合法的に販売している」としている。コ社は再三の取材要請に対して応じていない。【酒井祥宏、藤田剛、宮川佐知子】

 ◇急成長のネット化粧品市場

 「在庫限りの超特価」「最大80%OFFの超激安価格」。インターネットの化粧品販売サイトには、購買意欲をかき立てるセールストークが並ぶ。急成長を遂げるネットの化粧品市場は、数千億円規模とも言われ、「T&Tトレーディング」と「ココキタムラ」が化粧品を卸していた旧「イノベート」も、ネットの人気店だった。膨らむ市場に、業界内から「無法地帯」との声も上がる。

 国民生活センターによると、化粧品の安全、衛生に関する消費者からの相談は11年度(11月22日現在)、前年比2倍以上の1776件に上る。

 厚生労働省によると、09年度は161業者を処分したが、いずれも改善指導にとどまった。業界からは「行政は厳しく対応すべきだ」との指摘も。一方、島根県の担当者は「ネットは24時間監視できず、実態把握が困難。情報提供がなければ動けない」と対応の難しさを明かした。

 化粧品販売を巡っては、業者が行政指導を受けたり、逮捕されたりするケースが相次ぐ。警視庁は09年8月、使用禁止のステロイド剤を配合した化粧品をネット販売した東京都内の業者を逮捕。昨年4月には無許可で化粧品を製造、ネットで誇大広告していた神戸市内の製薬会社が、兵庫県の業務停止命令を受けた。

 悪質業者はなぜはびこるのか--。大阪府内の販売業者によると、化粧品を輸入する際、検査機関に委託などして成分を検査すれば、費用は1品目平均10万円かかるという。この業者は「経費削減のために検査や成分表示をしない業者が多い。行政は厳しく監視してほしい」と要望する。【酒井祥宏、藤田剛】

 ◇化粧品と薬事法◇

 化粧品は医薬品などと同様、薬事法で規制されており、販売には「化粧品製造販売業許可」が必要。輸入品を販売する際は、同法に基づく成分基準に適合していることを確認し、全ての成分や製造販売業者名を日本語で表示しなければならない。化粧品の保管や成分表示には、さらに「化粧品製造業許可」が必要になる。

毎日新聞 2011年11月23日 10時09分

 

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