産業スパイ:AMOLED技術、中国に不正流出寸前

サムスンとLGの社員を捜査

 液晶パネル大手のサムスンモバイルディスプレーとLGディスプレーの社員が、重要技術を中国に不正に流出させようとした疑いが強まり、京畿地方警察庁が調べを進めていることが21日分かった。

 捜査関係者によると、中国の液晶パネルメーカー、BOEハイディスに勤務していた社員2人が2009年、サムスンモバイルディスプレーに転職。うち1人はわずか3カ月でBOEハイディスに戻り、残る1人はサムスンに残り互いに連絡を取り合う形で、サムスンの重要技術を写真撮影するなどして不正流出させようとした。問題の技術は、ガラス板に塗った有機物が、電気の刺激で発光し、薄い構造で鮮明な画像を映すAMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)と呼ばれる次世代技術だという。

 問題の中国企業は、技術入手を目的として、2003年にハイニックス半導体の子会社を買収したとして、物議を醸した経緯がある。

 このほか、LGディスプレーの社員も中国に液晶パネルの重要技術を流出させようとした疑いで、捜査対象になっているもようだ。

 サムスンモバイルディスプレー関係者は「警察が捜査を進めているのは事実だが、捜査を見守りたい」とした上で「年間38兆ウォン(約2兆5500億円)以上を輸出する重要技術を流出させようとした」などとする警察の説明については「やや誇張されている」と説明した。

水原= 梁熙東(ヤン・ヒドン)記者
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