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知事ブログアーカイブ(平成23年11月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年11月22日更新

11月22日(火曜日)の一打 「アメリカの大学への留学生数 日本は減少続く」


 アメリカのシンクタンク「国際教育研究所」が11月14日に2010~2011学年度にアメリカの大学・大学院で学ぶ留学生の国・地域別ランキングを発表しました。
 それによると、中国人留学生の数が前年度から23.5パーセント増加し、15万7,558人に上り、2年連続1位になりました。

 アメリカへの留学生の総数は、前年度に比べて5パーセント増加し、72万3,277人であります。アメリカの国力低下が言われている中でも留学生の数は順調に増えているということになります。全体で5パーセント増えている中で、中国の伸びが23.5パーセントですから、中国人留学生の増加が全体数を押し上げていると言えるかもしれません。
 2位はインドの10万3,895人、3位は韓国の7万3,351人であります。以下4位はカナダ、5位は台湾、6位はサウジアラビアです。

 そして、7位が日本ということになります。昨年の6位から順位を下げています。留学生の数は前年の2万4,842人から3,552人、14.3パーセント減って、2万1,290人です。1990年代後半には、4万5,000人を超える留学生がいましたので、半分以下に減っているということになります。
 こんなところにも、最近の日本の弱さというか元気のなさみたいなものが象徴されているように思います。

 埼玉県は、今年度10億円を出資してグローバル人材育成基金を創設し、世界25か国へ留学する高校生や大学生の若者268名を奨学生として決定しました。
 地方自治体レベルでは、桁外れの規模でグローバル人材の育成に取り組んでいるわけであります。文部科学省での留学生の奨学金関連予算が全体で20億円ということであります。10億円を6年間で使い切るという埼玉県の取組を知って文部科学省もあわてふためいているという話を聞いております。

 もちろん、アメリカが全ての点で優れているというわけではありませんが、特許の数や研究者の数が世界一であることは間違いありません。

 いずれにしても世界最先端の様々な技術を持つ国で世界中から集まる優秀な人々と共に日本の若者が学ぶということは、いろいろな意味で有意義なことであります。日本もこの辺でしっかり腹を決めて、グローバル化が加速する世界に再挑戦をしていかなければいけないと思います。

11月21日(月曜日)の一打 「2011彩の国 食と農林業ドリームフェスタ」

 一昨日と昨日、加須はなさき公園で「2011彩の国 食と農林業ドリームフェスタ」が開催されました。
 このイベントは、安全安心な農産物を通じて、生産者と消費者の信頼関係を強化するために行うものであります。埼玉県の農林水産業の紹介や、新鮮な県産農産物、地域特産物の試食・販売、花植木の即売、ふるさと料理レストラン、園芸相談、木工体験など多くのブースが出展されました。

 埼玉県は全国で人口が多い方から5番目ということで都市的なイメージがありますが、実は農業県の一つでもあります。
 全農産物の産出額は全国18位ですが、花は5位、野菜は6位と上位であります。野菜の中でも特にねぎ、ほうれんそう、さといも、こまつなは全国1位の産出額を誇っています。しかも直近3か年の農業産出額の伸び率は、全国2位というように本県の農業は非常に元気があります。

 消費地に近く、身近な場所で農産物が栽培されていることから、朝、収穫された県産農産物が、夕方には皆さんの食卓に上っているというのが特徴であります。

 今年のドリームフェスタには県内に避難しておられる福島県双葉町の皆さんも出店し、自らが加須市などで生産したお米や野菜を販売し、改めてお互いに連帯と理解を深めました。

 会場では放射性物質の影響で大きな打撃を受けた狭山茶のブースも設けられ、大いに賑わいました。
 狭山茶の一部の銘柄から暫定規制値を超えた値が検出されたことを受けて、県は全銘柄を検査しており、安全なものだけが流通しております。

 昨年は、県産米の「彩のかがやき」が猛暑の影響で白い筋が入るなど大量の規格外米が発生して大ピンチに陥ってしまい、秋から冬にかけて大々的に販売キャンペーンを実施しました。狭山茶もこれと同じようにブランド回復大作戦を展開していこうと思っています。

新鮮野菜を品定め中双葉町の皆さんが生産された野菜も購入

新鮮野菜を品定め中

双葉町の皆さんが生産された野菜も購入

11月18日(金曜日)の一打 「1分前」

 ときどき、気になることがあります。8時30分の始業時間ギリギリに駆け込んでいる県庁職員が決して少なくないことであります。

 朝の冷え込みも強くなってきましたので、布団が暖かく、身を包んで離さない時期であります。また、着ぶくれなどの混雑でいつもの電車に乗ることができなかったり、電車そのものが遅延気味になったりする時期でもあります。

 このようなところにも気の緩みがあるのでしょうか。業務開始 1分前に職場に駆け込みギリギリ8時30分0秒に席に着く。私はそのような状態でヨーイドンで仕事ができるのか疑問です。

 県内に基盤を置く金融機関の職員の振る舞いを見ていると、殆どが始業時間の30分前までに席に着いている、そういう状況を私は知っています。私はこのあまりの違いに、不愉快な思いをしています。県庁職員の仕事に対する責任は、金融機関と同じくらい重いものです。

 勤務時間にしっかり仕事をすれば良いのだという考え方に立てば、当然全力疾走をする前のウォーミングアップが必要です。サッカーでも野球でも試合開始時間の1分前に会場に駆け込む選手はおりません。自ずからしかるべき時間というのがあるはずです。

 職員採用試験の面接のときに、「私は業務開始1分前に駆け込んで仕事をします。」などと言えば、当然採用されないはずです。

 業務開始1分前に駆け込む職員を見るたびに、こういう職員が本当に県民のために役に立つのかな、このような思いを持ちます。面接の時のことを思えば、サギ師に近いと私は言いたい気持ちです。

11月17日(木曜日)の一打 「幸福の国 ブータン」

 国賓として来日したブータンのジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王夫妻を迎えての天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が行われたというニュースを見ました。

 ブータンは、人口70万人のヒマラヤ山系の麓にあるインドや中国に挟まれた小さな国です。
 ブータンが注目されているのは、前国王が提唱した「国民全体の幸福度」を示す尺度である「国民総幸福量」という指標で国づくりを進めていることです。これは、物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも尺度に入れた「幸福度」を表す考え方であります。

 一般的に、経済規模の指標が高いと幸福であると見られる傾向があります。しかし、ブータンは世界最貧国の一つでありながら、国勢調査で国民の9割以上が「幸せ」と回答したという結果があります。

 確かに、江戸時代から明治時代に訪れた多くの外国人は、日本は貧しい、しかし日本は高貴だ。品性が極めて高く教養があり、人々が幸せそうに生活をしている。貧富の差が少ない、権力者がいない、盗人がいない、などという感想を残しています。
 今のブータンには、かつて日本が外国から高い評価を受けた時と同じような雰囲気があるのかなと思います。

 ちなみに最近、埼玉県は、ブータンに中古の消防車4台を贈りました。その縁で、実は私もワンチュク国王の歓迎会にお招きいただいているのですが、日程の都合上行くことができません。とても残念です。

 ブータンは、大の親日国としても知られています。また、文化の面で類似したものも多いですし、日本人とブータン人は外見上もよく似ております。とても親しみがある国に感じます。

11月16日(水曜日)の一打 「立命館大学 全国首長リレー講座」

 立命館大学と読売新聞社の主催で全国の首長が地方自治を語る「全国知事・市長リレー講座」というものがあります。今回で5シリーズ目だそうですが、昨日、京都市の立命館大学に行きまして、約440人の学生に講義をして参りました。ちなみにこの講座に私は全シリーズ参加をしております。

 内容は埼玉県政のことになります。まずは何よりも、規模感が分からないとイメージが出てこないと思いまして、埼玉県の面積は東京の約2倍であること、人口や県内GDPが全国で5位であること、平均年齢は全国で5番目に若いこと、県民一人当たりの医療費が全国で二番目に少ないこと、県土に占める川の面積が一番多いこと、交通の要衝であること、埼玉県のGDPは約21兆円で日本全体ですと現在約470兆円なので、だいたい20分の1を占めていることなどを説明しました。そして、学生の皆さんに本県に対するイメージを持っていただいた上で、埼玉県政改革をどのように行ってきたかということを述べました。

 どこの都道府県も理念や基本政策は、そう変わらないと思います。美しい言葉で理念を語り、いくつかの分野に分けてそれこそ美辞麗句を並べたような行政計画などの話を中心にして、こんなふうにやっていますという話が多いのではないかと思います。

 ただ私の場合、決定的に違うのは、こんなふうにやっているという話ではなくて、こんな結果を出したという話をするということです。私は10年のトレンドで見たら県政は良くなっているのか悪くなっているのか、他の都道府県との比較でどうなのか、市町村間の比較をするとどうなのか、こうしたことを常に意識しております。

 例えば税金ですが、納税率が0.2ポイントとか0.3ポイント下がったりします。そうなるとバブルが崩壊したからね、銀行も潰れるような時代だからね、景気が悪いからねということで、納税率が下がったことについて課長や部長は自己弁護しながら任期2年くらいで職務を去ります。こうして、納税率がずるずると下がる状態が平成元年から14年間も続いた結果、トータルで4ポイントほど下がっています。埼玉県の場合、1ポイントで60億円ですので、4ポイント下がると240億円も本来徴収されるべき税金が入らない、このような形になるのです。

 これを10年、20年のトレンド表でまとめ、全国の都道府県と比較をすると一目瞭然になります。平成元年を起点にすると平成7年までの納税率は、埼玉県も含め全国的に下がっていました。しかし、全国的には平成8年からまた上昇基調に戻っております。しかし、埼玉県は平成14年までほぼ下がる一方でした。平成15年に私が就任して納税率向上に本気で取り組み始めてからは、V字型に回復しているわけであります。このようにトレンドで見る癖を付けない限り、問題の所在が見えず、改善策は講じられません。

 犯罪認知件数もそうです。警察官の増員をしました。その結果、犯罪認知件数が少し減りました。自分の県だけをみていると少し減ったことで満足してしまいますけれども、全国的に見てどれだけ減ったのか、減り方の率をどう見るのか、あるいは元々無茶苦茶犯罪件数が多かったときに少々の減り方で満足して良いのか、こういったことを吟味しなければなりません。埼玉県では犯罪認知件数を減らすために、民間の自主防犯活動団体数を平成16年4月の515団体から10倍以上の5,300団体に増やしています。2位の東京都が3,700団体、3位の神奈川県が3,000団体くらいですから、埼玉県が突出して多いことが分かります。埼玉県は民間の力で犯罪の抑止力を高め、犯罪認知件数を大幅に減らすことに成功しています。

 このように、まずは原因をきちっと分析する。そして改善策を見つけ、それをとことん徹底し、結果を出す。これが大事だと思います。私は、ただ努力していますというのは評価しません。努力したことで、どのような結果を生み出したのか、成果が出たのか出なかったのかを確認する行政をしています。こうすることにより、様々なことで数値が良い方に急上昇したり、成果を出すことができています。このような話を立命館大学の皆さんにしてまいりました。

11月15日(火曜日)の一打 「3年ぶり!県民の日県庁オープンデー」

 昨日、11月14日は「埼玉県民の日」でした。県庁では、今年の3月まで建物の耐震改修工事をやっておりましたので、しばらくの間、県庁の一般公開を行うことができませんでした。今年は3年ぶりに県庁オープンデーということで一般公開を行うなど、様々な県民の日のイベントを行いました。

 埼玉会館では県民の日記念式典を行い、様々な分野で県民の模範となる顕著な功績を挙げられた方々や絵画・作文コンクールにおいて入賞された方々に対する表彰を行いました。

 その中でも印象的だったのは、「彩の国特別功労賞」の贈呈であります。今や卒業式の最も歌われる歌として有名な「旅立ちの日に」をご存じの方は多いと思います。実はこの曲は、平成3年2月に、秩父市立影森中学校の校長だった小嶋登(こじま のぼる)先生が作詞し、高橋浩美(たかはし ひろみ)先生が作曲して誕生したものです。埼玉県で生まれたこの歌は、広く全国の皆さんに愛され、多くの方々に夢と希望を与え続けています。今年、この曲が誕生してから20年目の節目となることを踏まえて、作詞、作曲をされたお二人を表彰させていただきました。残念ながら小嶋元校長は今年の1月に亡くなられましたが、式典にはご子息の方に出席していただきました。表彰後には、この歌が誕生した秩父市立影森中学校の3年生の皆さんが、心をこめて合唱してくれました。

 県庁オープンデーでは、県庁内を全面開放し、知事室や県議会議事堂などの公開も行いました。更に、県庁内の様々な空間にいろいろな県内企業のブースが出されたり、コバトンをはじめとするゆるキャラも34体が集合しステージショーなどで盛り上げてくれました。昨日は、過去最大の5,000人の来場者があったということであります。

 県庁中庭では、サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫(ささき のりお)監督をお迎えして、FMナックファイブのラジオパーソナリティでお馴染みの大野勢太郎(おおの せいたろう)さんと私の3人でトークショーを行いました。

 トークショーの中でなぞかけを披露しました。「『佐々木監督』とかけて、何と解く」と問われまして、私は、「『埼玉の自然』と解く、その心は『どちらも指揮(四季)が素晴らしい』」と答えましたが、おやじギャグ好き佐々木監督にも「二重丸です」とお褒めの言葉をいただきました。    

 昨日は、私自身も楽しい1日でありました。

影森中学校の皆さんの合唱佐々木監督と大野勢太郎さんとのトークショーゆるキャラが大集合

影森中学校3年生の皆さんの合唱

佐々木監督、大野勢太郎さんとトークショー

ゆるキャラが大集合

11月14日(月曜日)の一打 「埼玉は意外にも農業県?」

 天高く馬肥ゆる秋。お米も大変おいしい時期になりました。まさに実りの秋です。

 昨日はイオン北戸田ショッピングセンターで「“みんなで食べよう”埼玉農産物フェア」を行いました。このたび、埼玉県内のイオン全18店舗を県産農産物サポート店に指定いたしました。11月12日から11月14日まで全18店舗では「埼玉農産物フェア」を開催しています。それに合わせて県としても、北戸田ショッピングセンターでこのイベントを行ったところであります。

 JA埼玉県中央会の鯨井武明(くじらい たけあき)会長に言わせれば、秋の味覚ではサンマ以外は全てあるといわれるくらい埼玉県には食材がそろっています。

 埼玉県の農業の位置を申し上げますと、全農産物の産出額は全国18位ですが、野菜は6位、花は5位と上位であります。直近3か年の農業産出額の伸び率では、全国2位というように非常に元気があります。
 野菜の中でも特にねぎ、ほうれんそう、さといも、こまつなは全国1位の産出額を誇っています。住宅が多い地域にお住まいの方々にはそのようなイメージはないかもしれませんが、実は埼玉県は広大な農地を持つ農業県の一つでもあるのです。

 このように、私たちの住んでいる身近な場所で農産物が栽培されています。朝、収穫された県産農産物が、夕方には皆さんの食卓に上っている。埼玉県は、鮮度抜群の農産物を多くの御家庭に届けることができる優れた県であります。そういう意味では、食と農の宝庫と言えるのではないかと思います。

 昨日はJA埼玉県中央会の鯨井会長、私と30年以上付き合いがありますアフリカのギニア外務省の顧問でもあるタレントのオスマン・サンコンさん、女優で埼玉県出身の南沢奈央(みなみさわ なお)さんに出席をいただき、トークショーを行い、埼玉県産農産物の優れたところを一生懸命アピールしました。

 消費者の皆様にも、もっともっと埼玉県産農産物を見て、知って、味わって、ファンになってもらえればありがたいなと思っております。

埼玉の農産物をPR埼玉野菜のタワー

埼玉の農産物をPR

埼玉野菜のタワー

11月11日(金曜日)の一打 「農商工出会いフェアinソニックシティ」

 昨日、財団法人埼玉県産業文化センター、株式会社武蔵野銀行、社団法人埼玉県物産観光協会が主催する「農商工出会いフェアinソニックシティ」の式典に出席をしてきました。

 このフェアは、単に農作物をそのまま流通させるだけでなく、それを加工し、高い付加価値を付けて製品化するために、地域経済の基幹産業である農業と商業、工業等が連携して、ビジネスマッチングをしっかりやっていこうというものであります。
 昨日は、県内を拠点とする農業、商業、工業等の企業団体、流通、販売関係者の皆さんが参加して商談会が行われました。

 農業は立派な産業であります。私はかねてから農業こそ、先進国型の産業だと申し上げております。産業に必要な人、技術、資本、この3つが整っているところは、先進国以外にありません。したがって、産業としての農業が発展している国は、工業や商業も同様に発展している先進国であります。
 日本は、まさに人、技術、資本が整っている国であります。
 これまでの日本の発展というものは、農業だけ、商業だけ、工業だけという単体での発展ではなく、まさに農商工連携によるものだと思っております。

 埼玉県は野菜の産出額が全国6位という屈指の農業県であります。そして、消費地の隣が産地という、地産地消には適したところであります。農産物に工業的発想を加えて新しい商品を開発し、それを流通体系に乗せてしっかり販売していく。新しいビジネスがこのフェアを通じてどのように展開していくのか大変期待を持っております。

 明日と明後日は、このフェアの一環で、同じく大宮ソニックシティを会場に「地産地消祭り」が行われます。埼玉県の食材を使った地元スイーツが大集合する「さいたまTHE「地」スイーツフェア」や人気の「埼玉B級ご当地グルメ」など、まさに埼玉県の農商工が連携して商品化された県産品の販売や紹介をするイベントが行われます。

 皆様、ぜひ、お出掛けいただきたいと思います。そして、このフェアの成功を心から祈念します。

11月10日(木曜日)の一打 「幸せ度」

 昨日、47都道府県「幸せ度」ランキング総合評価の順位が発表されました。
 法政大学大学院の社会人学生ら10人が、今年の4月から半年かけて、都道府県ごとの平均寿命や出生率、完全失業率、犯罪発生件数など40の社会経済統計指標を集計したものであります。

 それによると、1位が福井県、2位が富山県、3位が石川県と北陸3県が健闘しております。下位の方を申し上げれば、大阪府が最下位の47位、46位が高知県、45位が兵庫県、残念ながら44位に埼玉県が出てきます。43位が北海道、42位が京都府、41位が沖縄県、40位が青森県、こういった順位となっております。
 北海道や京都府、沖縄県という観光で人気があるところが下位というのも、何か不思議な感じがいたします。

 国際的な比較で見てみると、一般的に国民の所得が高い国は生活の満足度が高いのですが、日本は国民の所得が高いにも関わらず、生活の満足度が極めて低いということが明らかになっております。
 見方を変えれば、日本国民は現状に満足せず向上心が強いと言えるのかもしれません。あるいは、悲観的な考え方をする人たちが結構多い、そういうこともまた言えるのかもしれません。

 いずれにしても、幸せ度や生活の満足度は低いよりも高い方が良いわけであります。そのことは、県民の誇りや県への愛着度などにもつながってくることですから、一つの調査手法による結果ではありますが、埼玉県の幸せ度が下位にあるということはもちろん喜ばしいことではないと思っています。
 ただ、それにもかかわらず、埼玉に人が集まり、そして住居を求め、そして他県の方からうらやましがられるのはなぜなのかと思うこともあります。私は、富山県にとても親しい友人がいます。いつもその友人からはうらやましがられています。しばしば、さいたまスーパーアリーナや埼玉スタジアム2002など県名を冠した会場がコンサートやスポーツの舞台としてニュースや番組で放送され、華やかなイメージがあるそうです。内側と外側で見たのでは、それぞれ評価が分かれるのではないかと思います。

 埼玉県では、「川の再生」や「みどりの再生」などの取組について、県民の満足度が年々上がってきております。また、犯罪発生件数が年々減少するとともに、検挙率は年々上がっております。こうしたことも幸せ度や満足度を上げることにつながるものと思っております。引き続き、県民の皆さんが幸せと感じられるよう丁寧な行政運営をしなければと考えています。

11月9日(水曜日)の一打 「九都県市首脳会議」

 昨日、川崎市で九都県市首脳会議が行われました。
 この会議は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都3県、政令指定都市の横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の5市の首長が一堂に会して、首都圏の共通課題を議論しながら共同で解決していくものです。

 私が知事になる前までは、1年に1回の開催でした。これでは課題を提案する、解決策を練りあげてまとめる、それを実行して問題を解決する、このプロセスに最低でも2年かかってしまいます。いかにも時間がかかりすぎるということで、私の提案で半年に1回開催するよう改めました。今では、課題を提案してから半年後には実現するというスピーディーな仕組みができております。

 過去に行った有効な政策には、東京都が提案した「ディーゼル車の排出ガス規制」があります。首都圏の空をきれいにするということで、本県を含む首都圏の各県や市が、その提案に呼応し、あのモクモクとした黒い排ガスを一斉に規制しました。現在ではそのようなトラックを見かけることもなくなったと思います。まさに東京都だけでなく、埼玉県や千葉県、神奈川県などが参加することで実現できたのです。
 埼玉県が提案した「青少年の健全育成条例の共通化」も有効な政策の一つです。例えばポルノビデオが書店の見える場所に陳列されていました。そこで許される県もあれば駄目な県もあるなど、それぞれ異なる対応をしていたので、各都県がバラバラだった条例をそろえて規制の実効を上げるため、同じような仕組みでやりませんかと提案し、現在実行されています。
 また、昨年秋の首脳会議で、私は、青少年が有害なインターネットのサイトにアクセスできないようにする「携帯電話のフィルタリングの強化」を共同で国に要望していくことを提案し、各知事や市長さんから賛同を得ました。条例化などによりフィルタリングを強化していくという取組は、全国にも広がっています。

 昨日の会議では、九都県市の商工会議所会頭も加わったフォーラムが午後開催され、特に防災に関することに議論を絞り込みました。
 例えば首都高速道路の多くの区間は、昭和39年のオリンピックに間に合うよう突貫工事で建設されました。このため、いわゆる首都圏直下を震源とする関東大震災級の大地震が今後起こった場合、耐えられるかどうか非常に心配です。
 そのため都心から40~60キロメートルの位置にある首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道を早期に完成させることは、防災面からも非常に重要であります。圏央道によって東名、中央、関越、東北、常磐の各高速道路が結ばれれば、首都直下型の地震で首都高速道路が使えなくなった場合であってもオール日本で首都の救助や、復旧にあたることができます。圏央道は首都圏のまさに命綱として整備が急務であるなどの議論を詰めたところであります。

 このように1つの県だけ、1つの市だけではできないことを、一体的に取り組み、共通課題を解決していくのが九都県市首脳会議であります。

 この他にも埼玉県は、関東地方知事会、三県(群馬県、埼玉県、新潟県)知事会議などに参画し、隣接する都県と連携しながら県民の皆様の利益となるよう様々な課題解決に取り組んでいます。

11月4日(金曜日)の一打 「上海訪問」

 10月31日から11月2日の3日間、上海市を訪問しました。
 訪問の目的は、県内中小企業の中国進出を支援するため、県が昨年設立した上海ビジネスサポートセンターが期待どおり機能しているかを確認することと、上海におけるビジネスネットワークの拡大を図るためであります。

 今回の視察には、埼玉県経営者協会の森谷文昭(もりや ふみあき)会長代行をはじめ県の経済関係者も同行しました。また鈴木聖二県議会議長や奥ノ木信夫県議会議員を団長とする上海・ ASEAN視察訪問県議団の皆さんとも一部日程が重なりましたので、一緒に行動しました。

 上海は中国において、その面積の占める割合は、0.1パーセントに過ぎませんが、人口では1.8パーセント、GDPでも4.3パーセントを占めており、中国最大の商工業都市です。埼玉県の有力なパートナーである日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センターや日中経済協会上海事務所の守備範囲も上海全域はおろか、中国の3分の1のエリアを占めるくらいですから、中国における上海の「経済」の実力が理解できると思います。

 それではなぜ、埼玉県が中小企業の海外進出の支援をするのかという点です。
 実は、1990年から2009年までの1人当たりGDP成長率が、日本は0.67パーセントでOECD31か国の中では下から3番目です。OECD全体の平均成長率が1.8パーセントですから、その3分の1に過ぎません。こうしたマクロの状況は、企業を中心とした日本の経済活動の生産性が低いということを表しています。そこで、企業の生産性について分析してみますと、グローバル企業の労働生産性が非グローバル企業に比べて高いということはこれまでも指摘されていましたが、それは中小企業にも当てはまるということが分かってきました。輸出を始めた中小企業の生産性は輸出をしていない企業よりその伸びが高いという分析が最近示されております。

 日本は輸出立国というイメージがありますが、日本の輸出額の対GDP比は15.6パーセントで主要国の中で最低レベルであり、決して輸出大国とは言えません。輸出と海外から日本への対内投資を合わせた順位は、OECD31か国中30位、対外投資も24位といった具合です。(2005年~2009年の平均値)

 この数字が示すように特定企業の活躍とは別に日本は全体として内向きになっているのです。このことから、県レベルでも積極的にグローバル化に対応した企業支援や県内の高校生や大学生などの若者が海外に留学する際の奨学金支給(260人分)などをスタートさせたところであります。
 上海を訪れ、改めてこうした取組の重要性を認識したところです。

11月1日(火曜日)の一打 「ものつくり大学創立10周年記念式典」

 一昨日の日曜日は、ものつくり大学創立10周年記念式典に参加してきました。

 ものつくり大学は、文部科学省と労働省、行田市が中心となり、ものづくりの技術者を育てようということで平成13年に設立されました。総長には国際日本文化研究センター顧問で哲学者の梅原猛(うめはら たけし)先生が就任されています。
 創立から10年間で3,000人の学生が全国から集まり、ものづくり技術と技能を学んでいます。卒業生は、まさに匠の技を習得し、社会に出て活躍をされています。

 日本人は、古来からものづくりの達人であると言われております。その技術の高さは、今から1万年以上も前の縄文土器に既に表れています。つまり世界中のどの土器よりも精巧な模様で、造形美にも優れています。ものづくり文化は、日本人の特色と言っても過言でない、こんなふうに思っています。

 1400年前に造られたという世界最古の木造建築物である法隆寺に代表されるような、優れたものづくりの技術や伝統は、長い時を経た現在にも脈々と受け継がれております。今話題の東京スカイツリーの建築には、法隆寺の五重塔の原理が生かされております。
 20年おきに全ての社殿を造り替えるという大変ぜいたくにも見える伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)には、まさにものづくりの技術が正しく継承されるようにという意味も込められているそうであります。このように、日本には匠の技やものづくりを大事にして、後世にその技術を継承し、それを受け継ぐ者を確実に育てていくという文化があります。

 そして日本で培われた技術は、今や世界中で多くの建築物や製品に生かされております。製品の部品や工業技術は、日本発というものが意外に多いのです。特許の国際出願件数もアメリカに次いで2位です。

 こうしたものづくりの伝統を、ものつくり大学を通じてしっかり継承し、これからも後世に伝えていただきたいと心から思うところであります。