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米財政赤字削減、超党派協議が決裂
増税巡り溝埋まらず

2011/11/22 11:41
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 【ワシントン=御調昌邦】米財政赤字削減策を話し合う米議会超党派委員会は21日、実質的な協議期限となっていた同日、赤字削減の具体策で合意できないとの結論に至ったと発表した。増税など赤字削減の具体策を巡り民主、共和両党の溝が深く、協議が行き詰まった。来年の米大統領選を控え、今後も長期の財政再建策で合意するのは難しいとみられる。与野党の対立が激化し米景気にとって逆風になれば、米国債の格下げリスクが再び高まる可能性もある。

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 超党派委の共同議長を務めるマリー上院議員(民主)とヘンサリング下院議員(共和)が21日の声明で超党派の合意を断念すると発表した。民主党は富裕層向けの1兆ドル規模の増税が必要と主張したのに対し、共和党は同増税に強く反対。直前には部分的な削減で合意を目指す案も浮上したが、両党間で「重大な違い」があったという。

 現行法によると、超党派協議が1兆2000億ドル(約92兆円)の削減で合意できなければ、「トリガー(引き金)条項」が発動され、2013年からインフラ投資など裁量的経費と国防費を同額ずつ強制的に歳出を削減することになっている。この場合、日本を含むアジア太平洋地域の安全保障問題に影響を与える可能性もある。

 このため、国防費削減に反対する共和党議員を中心に強制的な歳出削減の回避を模索する動きがある。新たな法案を提出し、トリガー条項の発動をストップする案などが検討される可能性もある。

ホワイトハウスで声明を発表するオバマ米大統領(21日、ワシントン)

ホワイトハウスで声明を発表するオバマ米大統領(21日、ワシントン)

 しかしオバマ大統領は同日夕、合意断念後に声明を発表し、歳出の強制削減を回避する法案には「拒否権を行使する」と明らかにした。

 大統領はそのうえで「米議会が1.2兆ドルの財政赤字削減策で合意することが(強制的な)歳出削減を発動しない唯一の方法だ」と指摘。米議会に対し、今後も超党派でバランスの取れた財政再建策の検討を続けるように促した。民主、共和の両党は今回、期限内に合意に至ることはできなかったが、再度、協議に臨む可能性もある。ただ、12年秋の大統領選などを控え、両党が妥協することは難しいとの見方が有力だ。

 今後は年末で期限が切れる給与税などの減税延長について、与野党で調整ができるかに焦点が移る。協議が難航した場合、足元の米景気にも大きな打撃を与える恐れがある。政治対立が一段と深まる事態になれば、格付け会社が米国債の格下げを検討する可能性もある。

 超党派委の設置は、8月上旬の債務上限引き上げの際の与野党合意に盛り込まれ、計12人の上下両院の議員が参加。今後10年間で1.2兆ドル超の追加赤字削減策を11月23日までに検討することが決められていた。赤字削減策の内容を精査し、正式な文書を作成するために48時間が必要で、21日が実質的な期限だった。

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