環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に関する兵庫県関係国会議員アンケートでは、賛成派が慎重派を上回ったが、その多くは「参加後の離脱もあり得る」との立場だ。交渉の全容が見えない中、「テーブルに着かなければ判断できない」との意見が目立つ。
野田政権を支える山口壮外務副大臣、辻泰弘厚生労働副大臣は交渉参加に前向きだが、辻氏は医療分野などの根幹を守る立場を強調。山口氏も「交渉の成り行き次第では加盟しないこともあり得る」とした。
「加盟を目指す」と最も積極的なのは、民主党の石井一氏と自民党の西村康稔氏。西村氏は「外国人労働者の流入、国民皆保険制度の崩壊につながるという誤解があるが、こうした議論は交渉の場で一切行われていない」と強調した。
一方、参加に反対する議員には、TPP交渉が米国主導で進んでいる現状への懸念が強い。与野党双方から「食の安全を保てなくなる」という声が上がり、交渉参加の9カ国に中国や韓国が入っていない点を複数の議員が指摘した。
TPP交渉は21分野で協議が進んでいるが、「日本への影響が大きい分野」として、最多の16人が農産物や工業製品などの関税撤廃・削減について定める「物品市場アクセス」を挙げた。次いで「金融サービス」、特許や著作権に関わる「知的財産」が多かった。
アンケートを配布した22人のうち、水岡俊一首相補佐官は「政府が対応を検討している途中に政府内の人間が発言することは控えたい」として無回答だった。
(磯辺康子、山崎史記子、高見雄樹、佐藤健介)
(2011/11/03 10:00)
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