流山市は一時保管している放射性セシウムを含む清掃工場の焼却灰を、セメントで固化する新たな装置を同工場内に設置することにした。焼却灰の汚染濃度は、主な汚染源とされる草木の焼却停止で、国の埋め立て基準値を下回っているが、搬出先が見つからず、たまるばかり。セメント固化により灰が風雨などで飛散する可能性が少なくなるため「受け入れ先が見つけやすくなるのではないか」という苦肉の策でもある。【橋口正】
同装置は焼却灰に薬品を加え、セメントと混ぜ固める仕組み。総事業費は約1億600万円で、24日開会予定の定例市議会に補正予算案を計上する。
同市の焼却灰は東京電力福島第1原発事故前は、秋田県などの処分場で埋め立て処理していたが、施設のある同県小坂町などの反対で受け入れがストップしたままだ。
焼却灰の汚染濃度は11月14日現在で1キロ当たり3340ベクレルまで低下し、国が示した基準値の同8000ベクレルを下回っている。市は固化施設の導入で、同町や新たな受け入れ先候補地との交渉をスムーズに進めたい意向で、井崎義治市長は「汚染レベルの低い灰から固化を始め、なんとか窮状を脱したい」と語る。清掃工場に一時保管している焼却灰は16日現在、528トンを超え、来年1月末には満杯状態になるという。
毎日新聞 2011年11月21日 地方版
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