- [PR]
事件
【オウム裁判終結】死刑13人 野田政権は執行できるか 確定囚は120人超、いつまで「先送り」
オウム真理教による一連の裁判が終結したことにより、麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=ら死刑確定囚の死刑執行は政治課題と化す。平成21年9月の民主党政権発足以来、死刑に慎重な人物が次々に法相に就任し、執行は2人だけ。確定囚は120人を超え、戦後最大となった。それでも他の懸案と同様に先送りするつもりなのか。野田佳彦首相の覚悟が問われている。(上塚真由、加納宏幸)
「特にコメントはありません。個別の問題には答えないことになっている…」
平岡秀夫法相は21日、法務省で産経新聞記者にオウム裁判終結のコメントを求められ、こう答えた。死刑執行命令書に署名する気はなさそうだ。
平岡氏は超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」には所属していないが、民主党でももっともリベラル派であり「死刑慎重派」と衆目は一致する。9月2日の就任記者会見でも死刑執行に関する見解を問われ、「省内の勉強会の議論も踏まえて考えを整理したい。慎重な態度で臨むのは当然だ」と言葉を濁した。
民主党政権となり、千葉景子、柳田稔、仙谷由人(兼任)、江田五月の各氏が法相を務め、平岡氏は5人目。この中で死刑を執行したのは、皮肉にも死刑廃止を公言してきた千葉氏だけ。藤村修官房長官は10月26日の衆院内閣委員会で「野田内閣で死刑を廃止する方針はまったくない。最後の最後に悩み抜いてというのが法相の役割だ」と述べたが、21日の記者会見では「法相の責任で適正に判断される」と逃げた。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]