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過去最高値 1箱110万円〜江刺りんご「サンふじ」初競り

 (11/13)
 岩手が誇るリンゴの高級ブランド「江刺りんご」の主力品種となる奥州市江刺区産「サンふじ」の初競りが12日朝、盛岡市中央卸売市場で行われた。品質評価が最も高い特選は盛岡市の業者が1箱(28個入り・10キロ)過去最高値の110万円で落札。復興に向う岩手を活気づける高値での落札に、会場から思わず拍手が湧き起こった。

 同日入荷したサンふじは2010年より191箱多い524箱。競りの結果、販売総額は518万8500円で、1箱当たりの平均単価は9902円だった。

 過去最高値となるサンふじの納入先は、2年連続で県産品の販売を手掛ける同市羽場の賢治の土(畠山武志社長)。畠山社長は「震災で落ち込む岩手の活気づけと、厳しい状況で頑張っている生産者を応援する気持ちから高値でも構わないと仲卸業者に落札を頼んでいた。沿岸地域の一日も早い復興のため頑張ってほしいという気持ちを込めて、沿岸12市町村の首長宛てに少しずつではあるが贈りたいと思う」と話した。

 今年産のサンふじについて、JA江刺の小澤隆一組合長は「夏場の高温干ばつの影響もあり、出荷量は例年の8~9割程度だが、糖度やみつの入り、色合いなど品質は非常に高い」と説明。過去最高の110万円の落札については「被災者でもある生産者が今後も頑張って取り組んでいこうと思えるようなありがたい価格」と感謝した。

 落札されたリンゴは、盛岡市大通3丁目のクロステラス1階にある同社経営の「賢治の大地館」で14日ごろまで展示後、沿岸へ発送される。
【写真】サンふじの特選が過去最高値の110万円で落札された「江刺りんご」の初競り