2011-11-21
■[非実在青少年]第3回 ポルノ被害と女性・子どもの人権シンポジウム『子どもの日常を取り巻く性被害〜学校・ストリート・施設〜』 速記録 その1
速記しきれなかった部分は文意が伝わる程度に言葉を繋げています。主催者の方が話されたどおりの言葉ではないことをご注意ください。
総合司会 横田千代子氏 開会の挨拶
本日はものものしい感じで署名などさせて頂いておりますが実は昨日、ポルノ擁護派からFAX・メールでバッシングがあったため厳しい要求をさせて頂いております。皆様のご協力に感謝致します。
※通常の参加者名簿への記入のほかに、「私は録音・録画等致しません」という署名を集めていました。
社会一般に蔓延している女性・子どもへのポルノ・性被害を容認できない社会を目指して研究者、学校関係者、施設の方が参加して2009年5月1日に発足致しました。2009年10月に立教大学池袋校で第1回目のシンポジウム、翌年も同じ場所でシンポジウムを開き、今年は「子どもの日常を取り巻く性被害」と題したシンポジムを開くことができました。
活動の実績として2010年秋には社会福祉協議会の援助を得て書籍を発行することができ、大好評で2刷に達することができました。現場のすさまじいまでの性暴力の実態を記しております。2011年にはポルノ性被害に関するパンフを作成しました。資料の中に入れています。助成金を受けて作成しているため、無料配布させて頂きます。一人でも多く社会から性被害をなくし暴力を撲滅したいと考えております。どうか更なるご協力をお願いいたします。
報道の方やスタッフが撮影しておりますが、顔を出さないようにさせて頂いております。また、撮影した画像は報告集に使うだけです。参加者の方々にはこの会合を乱すことのないようにお願いいたします。妨害がないようにご協力願います。もし何かあった際はそれなりに対処させて頂きます。
スウェーデン大使館 カイ・レイニウス氏講演
スウェーデンはグローバルの連携が必要であるという意識のもと、児童虐待の問題に率先して取り組んでいます。本日のシンポジウムでは学校、ストリート、施設で子どもたちがどのような性被害にあっているか報告されるとのことですが、私は児童ポルノに絞って発表します。子どもの人権を最も侵害するものは児童ポルノです。背景には毎年10億ドル以上売り上げていると思われる組織犯罪グループがあり、儲かるので情け容赦なく子どもを使用します。それに対する適切な対策は、警察が活動しやすい環境づくりです。世界中ではブロッキング、キャッシュ支払い阻止などの対策が行われています。スウェーデンでは単純所持禁止法により積極的に対応することができました。
日本では1999年に児童ポルノ禁止法が制定され2004年に改正されています。その後も法改正の動きがあります。法改正に関する論点は単純所持禁止の問題です。複雑な法的側面があるから反対する人がいることも分かります。スウェーデンでは国民の合意がとれました。G8のなかでは日本とロシアだけ単純所持がありません。
スウェーデンでも児童ポルノは合法でした。1970年初等には販売規制がありましたが単純規制ではありません。当時は表現の自由との兼ね合いから論議がありました。販売規制だけでは非合法的に販売する組織が地下に潜って頒布されて世界にばらまかれるため、子どもの人権が守られるわけではありません。1990年代、所持行為の禁止についてどうするかという議論がありました。結論として表現の自由より子どもの人権擁護が大事ということで国民的合意が得られました。日本における議論を見ていると、まさに今の日本はスウェーデンと同じ歩みをしていると感じます。スウェーデンでは単純所持が簡単に法制化されたわけでなく熱い論議の果てに決まりました。今では表現の自由より子どもの人権擁護が大事だという国際合意が作られています。
日本における単純所持論議は子どもがどんな性的虐待や搾取にさらされているかという日本の現実をより多くの人々が知り、単純所持自体が人権侵害であるとする世論が形成されてはじめて罪であるという合意がなされます。日本が児童ポルノに厳しい態度を示すことは性目的で買春される子どもたちのはげましとなるでしょう。皆様の活動に一層の国際的連帯が高まることを祈念して最後の言葉とさせて頂きます。
横田千代子氏のコメント
表現の自由より子どもの人権擁護が大事である、このことが日本と大きく違うところです。カイ・レイニウス氏の言葉を励ましにこれからもこの問題に取り組んでいこうと思います。
アグネス・チャン氏のビデオメッセージ
今、世界中の子どもたちに対する暴力が増えています。一番弱い立場である子ども、特に女性は家族に問題があるなどの場合ターゲットにされやすいです。日本ユニセフ協会大使に1998年になった年から児童ポルノ禁止に関わり犠牲者を助ける活動をしてきました。
今の私たちは法改正を求めています。今の法律だと制作してもばらまいてもダメ。でも持っていることや楽しむことは違法でない。子どもは性的対象であり大人は子どもを好きにしていいんだというメッセージを伝えます。そんなことない。買う人がいれば作る人がでてきます。子どもたちを助けるために色々考えないといけない。日々勉強です。もちろん数え切れないくらいに問題ある、自分でできることから一歩ずつ、一人でも多くの子どもが健やかに夢見れる人生を送れるよう頑張っていきたいと思います。
横田千代子氏のコメント
ビデオにありましたようにアグネスさんは子どもの人権を真剣に考えていらっしゃって、私たちも多々考えていくことがあると思います。