家計債務めぐる統計公表を阻む金融当局

 「10月の家計融資の伸びについては、申し訳ないが、公開するなという指示があったんです」(金融当局者)

 金融委員会と金融監督院に対し、家計融資統計に対するかん口令が敷かれました。9月末には鄭恩甫(チョン・ウンボ)金融委金融政策局長が月次ベースで家計融資の伸びに関する資料をまとめ、説明会見まで行ったのにもかかわらず、態度を一変させた格好です。

 当局は情報を公表しない理由として、まず統計の不確実性を挙げています。毎月初めに銀行、保険会社、クレジットカード会社、貯蓄銀行などが提出した数値を基に家計融資残高の変動を算出しますが、金融機関が多いため、誤差が生じ、修正が必要となるケースが多いとの説明です。

 金融委関係者は「正確ではないため、統計ではなく参考資料だ」とまで語りました。例年も毎月公表することはなく、今年は7-8月に家計融資が急増した際、一時的に公表したという説明を付け加えました。

 一方で、金融当局の関係者は、家計融資に関する統計の発表を韓国銀行(中央銀行)に一元化すべきだとして、責任を逃れようとしています。しかし、韓銀が家計融資の伸びを最終集計するのは50日後のことです。9月の家計融資の伸びを今ごろになって発表するのでは、タイムリーとは言えません。

 このため、金融当局周辺では「家計債務のコントロールがまともにできないとの批判を避けるため、公開しないつもりなのではないか」との指摘が出ています。7-8月には金融当局が強硬な融資抑制策を取ったにもかかわらず、家計債務が急増し、厳しい批判を受けました。

 金融当局内部からも「統計が不正確なら正確度を上げる努力をするのが当然。口を塞いで解決しようというのでは困る」との指摘が出ています。ある金融機関の幹部は「政策担当者も意味があるから『参考資料』として使っているのではないか」と問い返し「不正確だからというのは口実にすぎない」と切り捨てました。

 家計債務が1000兆ウォン(約68兆円)を超え、国民は周囲の人たちがどれだけ借金を背負っているのかに関心を抱いています。金融当局が家計債務問題に解決に自身を失い、国民の知る権利まで侵害するみみっちい手段を用いようとしているのではないかと心配になります。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者
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