韓国海軍のイージス艦や一部の韓国製武器の部品が、米国の技術を無断で盗用したとの疑惑が米国側で持ち上がっているとうわさが広がっている。最近では米情報機関が韓国の防衛事業庁と関連業者を調査しているとのうわさも出ており、韓国軍と韓国の防衛産業は騒然としている。
韓国軍消息筋によると、うわさの内容は、米国側が韓国で建造されたイージス艦のレーダーシステムと韓国製の電子戦設備をめぐり、一部部品に「コピー疑惑」を指摘し、「ブルーランタン」というプロジェクト名で調査を進めているというものだ。ただし「現時点で事実とは確認されていない」とした。米国側が疑惑を指摘したとされる武器は、電子戦設備の「ALQ‐200」と「K1A1戦車」の射撃コントロール装備、魚雷、多連装ロケットシステムなどだ。
しかし、韓国政府の関係者は「ALQ‐200は2009年にパキスタンへの輸出を推進した際、米国が問題を提起し、すぐに輸出を中断しており、その後新たな話はない。残る事案については、米国側に特別な動きはない」と説明した。在韓米軍の消息筋も「最近広まっているうわさは事実ではない。米国防情報局(DIA)局長が今月初めに訪韓したのも、北朝鮮情勢に関する定例会議に出席するためで、韓国の武器輸出とは関係ない」と話した。
しかし、一部では、問題の韓国製武器の輸出に米国が待ったをかけるなど具体的な措置を講じるか否かを来年初めまで見極めなければ、うわさの真偽は分からないとの指摘も出ている。
韓国国防部(省に相当)周辺では、うわさが広がれば、来年の大型武器事業で米国製軍備を導入する上で支障となり、機種決定の延期にもつながりかねないとの声が出ている。韓国大統領選の2カ月前に当たる来年10月には、8兆3000億ウォン(約5600億円)相当の空軍次世代戦闘機(F‐X)第3次事業、1兆8000億ウォン(約1220億円)規模の陸軍攻撃ヘリ(AH‐X)事業、5500億ウォン(約370億円)海軍の海上作戦ヘリコプターなど10兆ウォン(約6750億円)を超える軍備の機種が決定される予定だ。韓国政府は来年度予算で、F‐X第3次事業の予算543億ウォン(約37億円)のうち472億ウォン(約32億円)を再来年に繰り越せるようにし、機種決定を次の政権に先送りする余地を残している。