Windowsが許されない世界の話


日本や欧州での思わぬ販売不振で、米国でも販売予測の下方修正を余儀なくされているゲイツ君のXBOXですが(一部では文字通り凶とか言われているようですが(^^;;)、秋葉原の店舗で働いている方によると、今回はなんでもかなりゲーム機を販売した実績のある店舗にしかMSから卸してもらえなかったようですね。こういうのを殿様商売などと世間では言いますが(バカ殿商売とも言うかも知れません(^^;;)、普通は売る方がお願いして販売店に置いて貰うってのが常識であると思うのに、Windowsを売るような態度でゲーム機を売っていたわけでこれだと売れなかったのも良く分かります。笑っていいともに出て渋谷でイベント開けば売れるだろうなんてトンチンカンなことしか考えてないのもさもありなんと言う気がしますが(そもそもあそこらへんのプロモーション自体ターゲットを間違えていたとも思いますが)、それに殿様商売が加わったら売れる方がおかしいってもんでしょう。

しかし、ゲイツ君って今後このXBOXをどうする気でしょうね。日本だともはや持っている方が恥ずかしいという所まで墜ちておりますが、ひょっとしたらゲイツ君の子供専用のゲームマシンとして今後も作り続けるのかもしれません(^^;;。そういえば、どうやら三人目の子供の誕生が近いようだという報道が最近ありましたね。
しかし、MSの広報は「ゲイツ3.0の誕生が間近です」ってコメントをしているようですが、これってユーモアにしてもさっぱり面白く無いと思うのですけど、3.0でやっとまともな子供ができるんじゃないかということなんでしょうか(^^;;いやまぁ、真相はよくわかりませんけれども。
あと、とりあえずアメリカ大好きのコイズミ君あたりに、今度から官房機密費でXBOXを買ってもらうように売り込むなんて手もあるかもしれませんね。少なくとも英国屋の背広とかよりは安上がりですから税金の節約にもなるでしょうしね(笑)。

さて、一週間のご無沙汰でありましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。4月ということで、いろいろ慌ただしい時期でもありますが、新たに社会人になられた方などはさっそく銀行に自分の口座などをお作りになられるなどされる方も多いかと思います。それにしても、私が小さい頃なんて銀行にお金を入れたり下ろしたりなんてことをすること自体かなり大がかりで気軽に金の出し入れなんて出来ませんでしたし、クレジットカードや公共料金の口座振替なんて便利なものもありませんでしたが、今だとまったくそこらへんの煩わしさってのも無いですね。いやはや大変良い時代になったものです。まぁ、もちろん一つの銀行を除いて、ですけれど。
というわけで、今日はちょっとご要望も頂いたので、今話題沸騰中の例の銀行についてちょっと取り上げたいと思います。

しかし、これは酷すぎますね。未だに処理できていない決済が40万件あると言われていますが、二重引き落としとか預金残高が減るなんてどう見てもドロボーと一緒ですよね。金を返せばそれで済むんなら警察はいらないわけですから、検察庁も刑事事件扱いで社長とか経営陣に実刑受けて貰うくらいのことをしないといけないでしょう。
クレジット会社などの引き落とし遅延で顧客がブラックリストに載ると言う件は、クレジット会社側でカバーするということを言っていますけれど、セゾンとは費用請求するようですし(そんな予算組んでいなかったでしょうから当然でしょうけど)ATMの手数料返還や、振り替えの遅延による損失の補填などを考えるとおそらく天文学的な損害で、とてもとても社長の退職金の自主返還なんてもので埋め合わせできる代物じゃあないですね。

で、直ったと思ったらまた障害が発生したり、口座振替の未処理分も逆に増えるなどの障害が現在でも続いております。なんでも今週中に復旧させたいなんて銀行のおえらいさんは悠長なことを言っているようですが、その間に手形が落とせなくて倒産する会社が出たらどうするんでしょうね。半月もトラブルが続いたらそのくらい出ても全然不思議じゃないでしょう。
まぁそれでもどこかに正の情報があればいいのですが、取引情報が空中に消えてしまっているとしたら復旧のしようはありませんし、各ATMやら支点のログを元に元帳とつきあわせて復旧なんてことをしてもその間にも取引はどんどん発生しますからいたちごっこで全然対応が終わりませんよね。この調子だと多分GWまでかからないと完全復旧なんてならないでしょう(それも完全な正のデータであるなんて保証も無いでしょうけれど)。

しかし、なんでこんな事態になってしまったんでしょうか。今日はちょっと私なりにさらってまとめてみましたのでご覧下さい。

  1. 基本的なミス
    そもそも金融の勘定系システムってのは、基本的には足し算と引き算の世界の延長ですからプログラム単体のロジックの複雑さはそれほど求められないはずで(と聞いていますが(^^;;)、どちらかと言えばプログラムやシステムとしてのミッションクリティカル性の実装の方が難しいはずですね。負荷が集中したとしても、元帳の引き落とし処理だけ行われてATMの方にはタイムアウトなどでエラーで帰ってきて現金が引き出されないなんてことになったらえらいことですし(今回は似たようなことが何万件も発生したのですが)、そこまでいかなくても混んでるからと言ってボタン押してから現金が出て来るまで一分とかかかってたら他のATMに行きますよね。
    ただ、負荷が集中するのなんて最初から分かっていたことだし、日曜プログラマじゃないんだから最低限のトランザクション処理をかけるのは当然のはずなんですが、今回そんな基本的な実装がされていなかったことが露見したわけです(いわゆる、全ての処理が正常に終了してから、変更処理を確定させる、途中で異常が発生したら、エラーとして処理自体を取り消すということ)。
    ちなみに私、ここらへんのトランザクション処理とかロック処理の話を初心者に話すときに、
    「一人が通帳と印鑑を持って本店に行って、一人がカードを持って別の支店に行って、全く同じタイミングで同じ口座から金を下ろしたとしても残高がおかしくなることはない。」
    なんてたとえ話をしたりするのですが(ここ細かい突っ込みは無しにして下さい(^^;;)、今度からこの例が使えなくなってしまいました。いやはや、全く罪な銀行です(笑)。

  2. 顧客不在
    富士通などのSEがトラブル発生から100人単位で24時間待機をしていたにもかかわらず、実際に借り出されたのは当初のATMのトラブルのみで、それ以降は全く出動要請がみずほ側から来なかったと言う事実がありますが、となると銀行の内部のSEしかトラブルの収拾に当たっていなかったわけです。
    これは今さら機密保持が心配になったのかメンツを重んじたのかどちらかだと思いますが、文系出身者が多く、百戦錬磨とは言いがたい銀行SEだけでなんとかなると思っていたんですかね。まぁ、いずれにしてもこの会社は顧客重視という理念からは程遠いところにいるようです。
    システムもそうですが、例えば共通の仕入先の業者を選定する場などにおいても、一勧側が見積の上で高い業者を選定するようにガンとして譲らなかったなんてこともあったらしく、よく調べてみたらそれが一勧側の出向者で固められた会社だったなんてこともあったようですね。 また、銀行の合併ともなると、同地域にある支店の統廃合が問題になりますが、みずほの場合はここらへんも全くコントロールさえていなかったため、同地域の支店が到底利益のでないような融資を無理に拡張するなどの競争もあったようです。ただでさえこの銀行不良債権が多いんですが、よけいに増やしてどうするんでしょうかね。まぁどうぜ政府の公的資金の援助があるんでいいとでも思っていたのかもしれませんけれど。
    それにしても、基幹システムをぶっつけ本番で動かす会社って、この世に存在するなんて思っても見なかったのですが、いったいみずほのCEOはどういう判断で動かしたんでしょうか。
       
    • どうせ預金者の金だから自分の懐は痛まないからいい。  
    • トラブルの対応するのはどうせ末端の行員だからどうでもいい

    とでも考えていたんですかね。それとも 四月一日だから、何かあってもエイプリルフールでごまかせるだろうなんて思っていたかもしれませんが(^^;;。

  3. ジャンケン方式
    そもそも、みずほ銀行の勘定系のシステムって、もともと一勧が富士通、富士がIBM、興銀が日立ということで、各社全く異なるシステムを使っていたわけですが、勘定系を統合するにあたってどこのベンダーのシステムを採用するかでかなりもめたようです。当然巨大銀行のオンラインシステムなわけですから、各ベンダーもまさに目の色を変えて営業するわけですが、特に他の三大銀行のシステムを取り損ねた富士通の営業攻勢は凄かったようですね。
    まぁ、それもわかります。富士通は旧東京銀行と旧さくら銀行の勘定系システムを手がけていたのですが、これらの銀行は合併の相手先の銀行の主幹で合併されていますから、 質今は金融再編で富士通だけ取り残された形になっていますし、ここで取り損なうとたぶん富士通の金融部隊存続の危機なんてことにもなったことでしょう。
    で、めでたく富士通の一勧のシステムに統合をされるということで話が進んでいたのですが、どういうわけか半年前に突然統合が先送りになって、リレーコンピュータで接続するという方式に転換したんですよね。
    ここらへんは三社で協議した統合委員会が全く機能せずに、三者三様に自説を振りかざしてさっぱり話が進まなかったことが原因のようです。
    そもそも、三者が対等合併でリーダーが不在な銀行って、キングギドラの頭がそれぞれ自己主張してるようなものでうまく行くわけが無いですよね。他の巨大銀行の場合は、東京三菱は三菱、三井住友は住友、UFJは三和という風に、極めて主導権が解りやすい構造になっているのでいいのですが、ここは傍目で見てもさっぱりわかりませんでしたからね(最近の例だと協和埼玉が対等合併だったように思いますが、ここはそれほど問題にならなかったような気はします)。
    そういえば、合併当初「三行の合併だと意思統一が取りにくいのではないか」と聞かれたときに、各銀行の頭取が「いや、三つの方が、二つより多数決で決められるから物事が決まりやすいのだ」なんて言っておりましたが、多数決じゃなくて永遠にジャンケンポンをやっていたみたいですね。

ところで、個人的に私が心配なのは、バックアップをちゃんと取っているんでしょうかということなんですよね。緊急事態なので普段のジョブスケジュールの流れではバックアップを取れないと思いますが、ディスクってバックアップを取っていない時を見計らって上手い具合に壊れますからね。そのせいでまた3月の取引までさかのぼるなんてことになると、日本経済がそこだけ時間が巻き戻されるなんてことになってそれこそ収拾が付かなくなりますよね。幸いわれらがMSKKは取引が無いようですのでWindowsは当面安泰のようですけれど(^^;;、

それにしても、こういう時に出てくる会社のトップの社長って、なんでこう腑抜けているんでしょうね。実害がないってXBOXの時のMSみたいな答弁をしていますが、たぶんあの社長を見て口座を解約しに行った人間って結構いるでしょう。まぁ預金を預ける先なんてパソコンのOSと違っていくらでもあるわけですし(^^;、郵貯なんて手もありますから、少なくとも顧客の預金なんてどうなっても良いと考えている銀行は無くなった方が世の中のためという気がします。これが日本にみずほ銀行しかほとんど無いなんて自体だともう日本は終わっていますよね。

というわけで、何事も独占と言うのはいけませんよという教訓でありました(^^;;。ま、いろいろ言いましたがシステムが正常に復旧してくれることには越したことはありませんので、復旧作業に当たられている方はきついでしょうががんばって欲しいものです。
あと、銀行の末端のSEさんたちは泊まり込みの復旧作業などをまだされている方も多いかと思いますが、システムが調子が悪いからと言って集計作業にExcelを使うことだけは避けていただければと思います。あれを使うと結局また手計算で検算をするハメとかになってよけい時間がかかりますし、MSはソフトを使うことによって発生した損害については全然責任をとらないから余計に自分の首を締めることになりかねませんしね。なにしろ信頼性が重視されない世界のソフトですから。ま、引導を渡すにはいいかもしれませんが(^^;;。

ところで、今回のトラブルには先月にその前兆のトラブルがあったように、こうした大きなトラブルにはなんらかの前兆があることが多いですね。
で、先週MSとUNISYSの笑い話を取り上げた際に、Webサーバーのプラットフォームが問題になりましたが、実は先週のサイト以外でもかなり奇妙な現象があることがわかりました。
今回情報を頂いたのは、www.windowsxp.comの、文字通りWindowsXPのコマーシャルサイトなのですが、これをNetcraftで見ると、昨年の4月ごろに奇妙な現象があるのが解ります。つまり、サーバーOSがその時FreeBSDになっているのですが、WebサーバーはIISなんですよね(^^;;。
Netcraftの方はただ単にエージェントが返したデータを取っているだけでしょうから、この時期にこのサイトがIIS on FreeBSDだと返していたということは間違いないとは思うんですけど、いつのまにMSって移植してくれたんですかね(^^;;。それとも、これって何かMSの崩壊の前兆現象とかなんでしょうか(笑)。そういえばゲイツ君もちょくちょく株を売っているようですし。
ま、MSに言わせると、多分これって実害の無い自然現象ってことになるのかもしれませんけれど。自然現象でFreeBSDに移植できるのでしたらいくらでもやってもらいたい所です。それこそ銀行の預金を移植するみたいにがーっとね。あ、でも電信振り替えでなく現金経由の方がバグが出にくくていいかもしれませんけれど(^^;;。

それ$G$O!"$^$?Mh=5$^$G!"$5$h$&$J$i!#


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