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愛すべきハッカー達


つい先日、例のiphone4sが発売されましたね。

新しもの好きの方々やお祭り好きの方々はさっそく深夜から各所の行列に並ばれたようでお疲れ様です。全世界でも空前の行列だったようで、スティーブジョブスの逝去も全く関係無しにApple株は上昇を続け、エクソンモービルを抜いて企業の時価総額最高になったようで。

そんな華々しいニュースに水を差したのが相変わらずの頭髪の薄い社長さんの会社で、受け付け開始早々システムトラブルで全国的に受け付け終了という最近では漫画でもやらないようなベタな展開で失笑を買ったと思ったら、やっと契約ができたと思ったら今度は他人宛のメールが続々送信されて来たなんて報告もされる始末で、流石のジョブズ君も草場の影で悪態をついていたのではないかと思うほどです。

それにしてもコンシューマからオンラインで一斉受付したのならまだしも、販売店からの入力なんだから同時アクセスといってもたかがしれているだろうに、よっぽど投資ケチったんでしょうか。この際、KDDIがやっているクラウドサービスでも契約してもらった方が良いかもしれないのでぜひ社長さんはご検討いただきますと幸いです。

2011/10/24補足:その後、 auでも障害が起きたようですね(^^; 情報ありがとうございました。
あと、後者の件は結局SIMの登録ミスだったそうなんですが、しかし個人情報もメールの内容も他人に筒抜けってのがミスで普通に起こるってのが凄いですね。システムがトラブってでも最低開通確認くらいはするだろうに、どんな教育してるんでしょうね。

ちなみにこの件については頭髪の薄い社長さんはTwitterでも全く無視しているようですが、野球が優勝したとか浮かれているヒマがあったら事実確認してコメント出すくらいのことはしてもらいたい所です。

さて、そんなわけで結構間が空いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。前回の更新が8月だったのでまる二ヶ月空いてしまったんですが、その間もau版iPhoneの発売やらKindleFireの発売やら色々ありましたね。
私も今回auから出るということでちょっとはガラケーからの乗り換えも考えたのですが、今のiPodTouch+auガラケー+emobileの環境が意外と快適で、4Sの機能もさほど魅力が感じられなかったので見合わせることにしました。
私はこれに会社支給の携帯も保持しているので外出するときはこの4セットを持ち歩いていますが、いずれも小さいのであまり気にならないですね。
まぁこうした点は人それぞれと思うのですが、政治の世界ではカン君がとうとう退任してノダ君が首相に就任しまして、なんかご祝儀相場ってことで訳も分からず内閣支持率が急上昇してしたようで。
それにしても政党同じなのに首すげ替えただけで支持率急上昇するってのも凄いですね。なにやらさっそくTPP加盟とか言い出してますが、どうも国のお偉いさんたちは外国産のロクに検査もされていない食料とか安い賃金の移民がバンバン入ってくることが非常に好きな愛国心に欠ける方が多いようで困ったものですね。

さて、日本では首相が退任で一つの時代が終わった(日本が終わりつつあるとも言えますが)ようですが、コンピュータ業界でも時代に華々しく影響を与えた二人の巨星が逝去しましたね。スティーブジョブスとデニスリッチーです。

ジョブスの方は、レオナルド・ダ・ビンチと双璧など言った頭髪の薄い社長さんなど、訃報に寄せるメッセージが全世界から上がりましたね。Googleはトップページを書き換え、一般紙までが新聞の一面に訃報を掲載し、オバマ大統領まで追悼メッセージを出すなど、おそらく政治家以外の一個人の死がこれだけ大きく扱われた例は無かったでしょう。

かつては一握りのパソコンおたくにしか扱えなかったITを、それを意識することなく、臆することなくごく普通の人たちが使えるようになった、そのこと自体は数多くの偉大なる先人たちの賜であることは間違い無いですが、その筆頭に上げられるのがジョブズでありましょう。彼がたとえMacintoshを生み出さずとも、おそらくいずれスマートフォンは世に出たでしょうが、しかし事実として世の中を大きく変えたことは間違いありません。

かつて、パソコンはいかに家電に近けるかという課題に多くの技術者が挑みましたが、彼はそれを家電という存在を通り越し、テクノロジーをまとった宝石箱に変えたとでも言えましょうか。

しかし、むろんジョブスの功績は讃えられてしかるべきではありますが、デニス・リッチーの業績も非常に大きかったと思います。1971年にトンプソンと共同でUNIXを開発、これがLinuxやMacOS Xの原型となって40年たった今も生き続けているとは凄いです。

さらに彼がほぼ単独で開発したと言われるC言語にいたっては、現在もほとんどのOSの開発言語になっており、C++やVisualC, C#、さらにiPhoneのアプリなどでも使用されているObjective-Cなど多くの後発言語を生み出すに至っています。

彼がカーニハンと共同で1988年に書いた書いた「プログラミング言語C」の教科書は私が学生の頃もバイブルでしたが現在も世界中で売れ続けており、この日進月歩のIT業界で、25年前のコンピュータ技術の実用書が現在も売れ続けているとはまさに驚く他はありません。

(余談ですが、カーニハンリッチーの他にはリチャードスティーブンスのUNIXネットワークプログラミングもよく読みました。これも今でも全く色あせてませんね)

シンプルな英単語と、直感的な記号の組み合わせからなり、しかも軽量で移植性も高いC言語の登場はまさにプログラミングのルネサンスで、大型ワークステーションからパソコンまで数々のシステムのOSに移植され、おびただしいアプリケーションが作られました。彼がいなければどうなったか、、、想像もしたくありませんが、少なくとも今のようなIT隆盛の世界には到底到達していなかっただろうと言えます。

ジョブズがコンシューマに向けた明確なコンセプトを打ち出し、強力な意思を持って革新的な製品を次々と打ち出してきたのに対し、その製品を支えるOS,アプリケーションを作る言語やOSを産み出してきたデニス・リッチー。まさにIT業界の表と裏の関係とも言えるこの二人がほぼ同時に世を去ったのは非常に感慨深いです。

ちなみに、、、

現在、プログラミングは非常に組織化され、仕様が細分化され、生産性や効率が重視されるあまり非常につまらないものになりつつあると危惧しています。極力単純労働化がされ、オフショアと呼ばれる単価が安い海外拠点での開発が当然のようにされています。

ただ、本来はプログラミングとは、もっと創造的であり、もっと楽しいものであるはずですよね。ただの電子の0と1の信号が、ある時は遠く離れた友人同士をつなげ、ある時は宇宙にロケットを飛ばしてくれる、まさに魔法です。

デニス・リッチーは、こうした魔法を、平易な文法を学ぶだけでだれでも習得可能にしてくれた、非常に偉大な人物だったと思います。

ジョブズとリッチーが生前交流があったかどうかは定かではありませんが(多分無かったでしょうが)、天国ではIT談義に花を咲かせていることと思います。まぁ、この世と通じるiPhoneを発明してもらうのはちょっと難しいかと思いますが、せめてこれからのITの趨勢を暖かく見守ってもらえれば有り難いですね。

偉大なる 愛すべき二人のハッカーに、合掌。


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