東京電力福島第一原子力発電所が立地し、原発事故でおよそ1万1000人の住民全員が町の外に避難している大熊町の町長選挙は、無所属で現職の渡辺利綱氏が2回目の当選を果たしました。
大熊町長選挙は、開票が終了しました。▽渡辺利綱 無所属・現、当選3451票。▽木幡仁 無所属・新、2343票。現職の渡辺氏が、新人の木幡氏を抑えて、2回目の当選を果たしました。渡辺氏は64歳。大熊町の町議会議員を4期務めたあと、前回の町長選挙で初当選しました。大熊町は、東京電力福島第一原発が立地し、原発事故で町の全域が警戒区域に指定され、町民全員の避難が続いています。脱原発を前提に町の将来が問われた今回の選挙で、渡辺氏は国が徹底的な除染を行ったうえで、町内の放射線量の低い地域に復興の拠点を作るなどと訴え、いわき市などに町ごと移転することを公約に掲げた木幡氏を破りました。当選した渡辺氏は「しっかりと町の除染を行い、住民が生活できる環境を作ることが最優先の課題です。住民の皆さんは先の見えない不安がピークに達しているので、希望の持てる復興計画を出していきたい」と述べました。