高速増殖炉見直し具体化が焦点
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高速増殖炉見直し具体化が焦点

11月21日 4時21分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

政府の行政刷新会議による「政策仕分け」で、高速増殖炉の開発について、福井県にある「もんじゅ」の存続の是非を含めて抜本的な見直しを求める提言が出されたのに対し、閣僚の中からは、廃止に向けては丁寧な議論が必要だという意見も出ており、今後、提言がどのように具体化されるかが焦点になりそうです。

国の政策や制度の問題点を検証し、改革案を提言する「政策仕分け」は、初日の20日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて原子力政策が取り上げられ、高速増殖炉の開発を巡り議論が行われました。この中で、仕分け人からは「もんじゅの本格的な運転が実現しないうえ、2050年までに商業化を目指すという不透明な計画では、国民の理解を得られない」などといった意見が出されました。そして、「もんじゅの存続の是非を含め、抜本的に見直しを行って再検証すべきだ」としたうえで、来年度の概算要求で求めているもんじゅの予算については、来年夏以降の運転再開後に行う試験費用の22億円の計上を見送るべきだとしました。さらに、エネルギー対策特別会計の存廃を含め、原子力エネルギー関係予算全体の在り方を抜本的に見直すよう求める提言がまとめられました。これについて、枝野経済産業大臣は、「『これまで高速増殖炉の関連で使ってきた2兆円を、すべて再生可能エネルギーや省エネルギーの開発に使っていたら、どうなっていたか』という視点が必要だ」と述べました。一方で、中川文部科学大臣や細野環境大臣は「高速増殖炉の開発をやめれば使用済み核燃料をどう処分するのかという新たな問題が出てくる」として、廃止に向けては丁寧な議論が必要だとしており、今後、提言がどのように具体化されるかが焦点になりそうです。「政策仕分け」は、2日目の21日、情報通信や大学改革などを巡り議論が行われます。