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「早稲田文学」ついに休刊。原稿料1枚500円は犯罪的か

 坪内逍遙が明治24年に創刊し115年の歴史をもつ「早稲田文学」は、現在店頭で発売されている5月号をもって、事実上休刊となります。これからは時々 16ページのぺらぺらのフリーペーパーとして再起を期すそうですが、無理でしょう。まず、時代錯誤を正すことが先です。


 最後っ屁として編集長が同情集めのために書いた長大な「編集室より」という愚痴によれば、《「早稲田文学」という雑誌は、「好きだから」ではなく公的(パブリック)な存在としての媒体(メディア)であることを課されている》と言いながら、早稲田大学文学部をスポンサー(と言えるのかこの額で)とする同誌の収入は、およそ1,400万円だった、と明かしています。


 驚くなかれ、1,400万円は毎号の、ではなく、年間の、なのです。


 1コマしか授業のない手鏡友の会会長を雇ったりスーフリ集団強姦魔を大勢放置し巨大な箱物を次々に建てるお金はあるのに、年間1,400万円しかかからない唯一の自前メディアを維持できぬ早稲田大学文学部とは、いったい何ものなのでしょうか。


 1号あたりの印刷費が約100万円。これは、身内(早稲田大学出版会および同メディアミックス)に支払われてきました。このほか発送費が約30万円、原稿料も約30万円、事務・通信・人件費などその他諸経費の合計が約400万円です。


 毎号600枚前後の原稿が掲載されていましたので、1枚あたり500円というのが稿料の平均値でした。校了前の2週間は土日もすべてつぶすほど過酷な労働条件下で、スタッフに支払われていた月額手当ては1万円(日額ではなく月額です)。もちろん、1955年の話ではなく2005年の実話であります。
 言葉を失う、とはこのようなときに使う言葉です。


 休刊宣言号の「編集室より」の冒頭は、《文学とはなにか》で始まっていることに対して我々は、笑っていいのか脱力しちゃっていいのか迷います。
 文学とはなにか、を問う前に、きみたちこそなにものなのかと問いなさい。
 それから早稲田大学とはなにかと問い、早稲田大学文学部とはにゃにゃにゃんにゃんと問わなくていいから早く寝ろ。

                           (この項、続く)

「ガッキィファイター」2005年04月19日号に掲載

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