「地球環境変動観測ミッション(GCOM: Global Change Observation Mission)」は、地球規模での気候変動、水循環メカニズムを解明するため、全球規模で長期間(10〜15年程度)の観測を継続して行えるシステムを構築し、そのデータを気候変動の研究や気象予測、漁業などに利用して有効性を実証することを目的としたミッションです。
GCOMには水循環変動観測衛星(GCOM-W)と気候変動観測衛星(GCOM-C)という2つのシリーズがあります。マイクロ波放射計を搭載するGCOM-Wは降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸域の水分量、積雪深度などを観測します。
GCOM-W1は、GCOM-Wシリーズの第1期の人工衛星です。
GCOM-W1に搭載される高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)は、地表や海面、大気などから自然に放射されるマイクロ波とよばれる電磁波を、7GHzから89GHzまでの6つの周波数帯で観測するセンサです。自然に放射されるマイクロ波の強度は、物の性質や含まれる水分量、表面の状態や温度などで決まり、周波数ごとに異なるのですが、非常に微弱なものです。AMSR2はこのような微弱なマイクロ波を地上700kmで受信し、そのマイクロ波の強さを非常に高い精度で測定することができます。例えば、AMSR2で海面から放射されるマイクロ波の強度を測定することにより、0.5度の精度で海面水温を知ることができます。
地上からのマイクロ波を受信するAMSR2のアンテナ部分は、1.5秒間に1回転のペースで地表面を円弧状に走査し、1回の走査で約1,450kmもの幅を観測します。この走査方法によって、AMSR2はわずか2日間で地球上の99%以上の場所を観測することができます。アンテナの直径は衛星搭載用の観測センサとしては世界最大の約2m、回転部分は高さが約2.7mで、重さは約250kgもあります。AMSR2は、このような大きくて重いアンテナ部分を、1.5秒間に1回転という速さで、1日24時間、5年以上も休まずに回転し続けることができます。