2011年4月26日23時42分
千葉県は26日、同県香取市の農家10戸が、出荷自粛と出荷停止の期間中に同市産のホウレンソウ7885束を県内の市場に出荷していた、と発表した。県は出荷した理由を確認するとともに、市場からの流通経路を調べている。
香取市では3月30日に採取されたホウレンソウから暫定基準値を超える1キログラムあたり2117ベクレルの放射性ヨウ素が検出され、市の一部で出荷を自粛。今月4日、隣接する県内の旭市、多古町産とともに原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止が指示された。その後の検査で3回連続で基準値を下回り、22日に解除された。
県によると、香取市の農家10戸は出荷自粛期間の前から出荷停止が解除された後までホウレンソウを出荷しており、1日〜22日の間の出荷数は計7885束だった。JAを介さず、独自に同県匝瑳(そうさ)市の八日市場青果地方卸売市場に出荷していた。
県の調査に、農家は「出荷を制限されているのは知っていた」と話しているという。市場側は「産地の確認が甘かった」と説明しているという。県に26日、農家を名乗る人からメールで「香取市のホウレンソウが出荷されている」との情報提供があり、発覚した。
出荷時期から考えて大部分がすでに消費されたとみられるが、県は「食べてもただちに健康に影響があるとはいえない」としている。そのうえで、「法に基づき(出荷停止を)要請したのに守られなかった。国と協議して対応を検討する。出荷自粛や停止は生産者に伝わっており、それでも出荷されたことは残念」と話している。