IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

Windowsでの「システムの復元」の実施手順

2010年2月12日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

1.「システムの復元」について

 ここでは、Microsoft社のWindows XP / Vista / 7 に搭載されている、「システムの復元」機能の概要について説明します。

 「システムの復元」とは、Windowsの動作にトラブルが発生した際に、システムの設定を、トラブルが発生する以前の状態に戻す機能です。

 本ページの最後「6.実施手順」に、具体的な操作方法の説明ページへのリンクがあります。

 注意点などがありますので、ここに書いてある内容を必ずよく読んだ上で実施してください。

2.「システムの復元」の仕組み

 Windowsは、システムに変更が発生した場合などに、その時のシステムの状態を「復元ポイント」として自動的に保存しています。この「復元ポイント」へシステムの状態を巻き戻す機能が、「システムの復元」です。

 システムにトラブルが発生した日より前に保存された「復元ポイント」へ「システムの復元」を行うことで、トラブルを解消できる場合があります(図1)。

図1 システムの復元のイメージ
図1 システムの復元のイメージ

 

 「復元ポイント」は、パソコンのハードディスクの空き容量が十分でない場合には、作成されないことがあります。また、作成された「復元ポイント」は、古いものから順番に消えていきます。

3.注意点

 「システムの復元」は、次の点について了解した上で使用してください。

    • 「システムの復元」起動時、ドキュメントや電子メールなどのデータには影響がないと表示されますが、それが保障されるものではありません。一部のアプリケーションの動作が不安定になったり、最悪の場合、パソコンが起動しなくなるといった状態になる可能性もあります。重要なデータは、必ずバックアップを取ってから実行してください。
    • 復元が正常に完了しない(失敗する)可能性があります。この場合、システムは「システムの復元」を実行する前の状態のままです。
    • 「システムの復元」が正常に完了すると、システムが過去の状態に戻ります。従って、選択した「復元ポイント」から現在までの間に実施したMicrosoft Updateやアプリケーションのインストール、バージョンアップも巻き戻ります。システムの正常動作が確認できたら、Windowsやその他のアプリケーションの状態を確認し、必要に応じてMicrosoft Updateやアプリケーションのバージョンアップを実施しなおしてください。
    • Windows 2000には「システムの復元」機能はありません。システムの初期化(パソコンを買った時の状態に戻す)など、他の方法で問題解決を試みてください。

4.実施手順の概要

 「システムの復元」の実施手順の概要を説明します(図2)。具体的な手順は後述しますので、ここでは全体の流れを把握してください。

図2 「システムの復元」の実施手順の概要
図2 「システムの復元」の実施手順の概要

 

(1) Windowsをセーフモードで起動する

 パソコンをシャットダウンして電源を切ったあと、再び電源を入れます。その際、特殊な操作を行うことで、Windowsを「セーフモード」というメンテナンス用の状態で起動します。

(2) 「システムの復元」を起動する

 セーフモードでパソコンが起動したら、「システムの復元」を起動します。

(3) トラブル発生日以前の「復元ポイント」を選択する

 前述した通り、Windowsは「システムの復元」を行うための「復元ポイント」を自動的に作成しています。「復元ポイント」の一覧が画面に表示されるので、その中からトラブルが発生した日よりも過去の「復元ポイント」を選択します。

 トラブルが発生しはじめた日が明確である場合は、その日よりも過去にある「復元ポイント」のうち、最も新しい(最近の)「復元ポイント」を選んでください。例えば、3日前からトラブルが発生している場合は、4日前の「復元ポイント」を選ぶのが最適です。4日前に「復元ポイント」が存在しなければ、それより過去で、最も新しいものを選びます。

 トラブルが発生しはじめた日が明確でない場合は、パソコンが正常に動作していたと思われる日に目安をつけて、その日に近い「復元ポイント」を探して、選択します。

(4) 「システムの復元」を実行する

 あとは、「システムの復元」を実行するだけです。これにより、選択した「復元ポイント」の時点までシステムの状態を戻すよう、Windowsが復元処理を試みます。

(5) 実行後の処置

 「システムの復元」実行後、処理が成功したか否かの結果が画面に表示されます。

 (a) 成功した場合

 「システムの復元」が成功(正常に完了)した場合は、システムが過去の状態に戻ったことになります。念のためパソコンをもう一度再起動し、問題が解決したかどうかを確認してください。

 解決していないようであれば、その問題は「システムの復元」では解決不可能であると思われます。その場合はシステムを初期化する(買った時の状態に戻す)のが確実です。あるいは、他の「復元ポイント」を選択し、再度「システムの復元」を試みてもよいかもしれません。

 (b) 失敗した場合

 「システムの復元」が失敗した(正常に完了しなかった)場合は、残念ながら「システムの復元」自体が正しく動作しない状態になっていると思われます。対処としては、システムを初期化する(買った時の状態に戻す)のが確実です。あるいは、他の「復元ポイント」を選択し、再度「システムの復元」を試みてもよいかもしれません。

 (c) 補足:システムを初期化する場合

 パソコンを買った時の状態に戻す作業を「システムの初期化」や「リカバリ」と呼びます。この作業を行うと、ウイルスは完全に削除することができますが、パソコンに保存されているデータも全て消えてしまいます。

 システムを初期化する場合は、重要なデータのバックアップを行ってから実施してください。システムの初期化の手順などについては、パソコンの説明書を参照するか、メーカーへ問い合わせをお願いします。

 

5.実施の前準備

 「システムの復元」を実施する際は、対象となるパソコンの設定を変更する特権を持った「管理者ユーザー」の特定と、そのユーザーのパスワードが必要になります。なお、特権を持たないユーザーを「一般ユーザー」と呼びます。

 管理者ユーザーを特定し、そのパスワードを手元に準備した上で、次の手順へ進んでください。

    • パソコンにユーザーが1つのみ存在する場合は、それが管理者ユーザーです。
    • 家族で使用しているパソコンなどで、ユーザーが複数存在する場合は、パソコンの管理をしている方が、それぞれを管理者ユーザーと一般ユーザーとして設定している場合があります。パソコンの管理をしている方に確認してください。
    • ユーザーが複数存在していて、どれが管理者ユーザーか不明な場合は、通常、最初に作成したユーザーが管理者ユーザーになっています。

6.実施手順

 ここまでの文章を読んで、問題がなければ、以下の具体的な実施手順に従って、「システムの復元」を行ってください。

 お使いのWindowsの種類に対応したリンクをクリックすると、手順書が表示されます。Windowsの種類が分からない場合は、パソコンに貼ってあるWindowsのシールで確認できます。

手順書

    • Windows XP 用の手順
    • Windows Vista 用の手順
    • Windows 7 用の手順

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